みなさんが家庭で食べる肉じゃがには、何の肉が入っているだろう。

兵庫県出身の筆者は、牛肉の肉じゃがしか食べたことがないのだが、東日本では豚肉の場合があるらしい。

西日本は牛肉文化、東日本は豚肉文化とはよく聞くが、肉じゃがも東西で違うのだろうか。

そこで、Jタウンネットでは19年11月13日〜20年2月17日の期間に「肉じゃがに使うのは、豚?牛?」をテーマにアンケートを実施。全国の読者が肉じゃがにどちらの肉を入れているのか調査した。

投票総数は2852票。果たしてその結果は――

東西でくっきり分かれた

全体の結果は、豚肉が42%(1197票)、牛肉が58%(1655票)で、牛肉派がやや優勢だ。

では、地域による差はどれくらいあったのか。各都道府県の結果を「豚肉派が優勢」「牛肉派が優勢」の2色に塗り分けたのが、以下の地図だ。



おおよそ日本の真ん中で結果が分かれている。東側では豚肉派、西側では牛肉派が優勢だ。

地域ごとに見てみると、近畿地方では93.4%、中国地方では88.5%、四国地方では90.9%、九州・沖縄地方では81.1%が牛肉派。西日本では豚肉の肉じゃがを目にすることはほとんどないのではないだろうか。

逆に、牛肉の肉じゃがが珍しいのは、東北・北海道地方。豚肉派が86.0%を占めている。

ただ、県ごとに見てみると、青森・山形では結果が拮抗しているため一概には言えないようだ。

総務省統計局が集計している家計調査(二人以上の世帯)の結果をみると、青森市は全国の県庁所在地・政令指定都市の中で、豚肉の購入数量は6番目に多く、牛肉の購入数量は全国平均を下回っているので意外な結果である。

山形は、米沢牛の産地であることが影響しているのだろうか。だとすれば前澤牛の産地であり、多くの肉牛を飼育している岩手でも牛肉派が多くても良さそうなものだが、こちらでは豚肉派が100%。

残りの秋田・福島では100%、宮城で92.3%、北海道で87.3%が豚肉派とかなり高い割合になっている。

関東地方では、豚肉派57.1%・牛肉派42.9%と全国の結果と数字がほぼ反転。豚肉派がやや優勢だが、牛肉派も少なくない。

豚肉派の県と牛肉派の県が混在する中部地方では、豚肉派52.9%・牛肉派47.1%で、両社の間にほとんど差はなかった。



中部地方の結果を詳しく見てみると、境界線の東西にあたる長野と岐阜で割合がほぼ反転していたり、富山・石川・福井の3県では近畿に近づくほど牛肉派が増えていたり、興味深い結果となった。