喫煙率の低下により需要が減少、改正健康増進法や増税も逆風となった(写真はイメージです)

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喫煙率の低下に加え、健康増進法改正やたばこ税引き上げなどで事業継続が困難になった

 (株)NGT〈TDB企業コード:988958153、旧:日本たばこ販売(株)、資本金8000万円、大阪府大阪市北区中之島3-2-18、登記面=東京都港区虎ノ門4-3-1、代表和泉憲幸氏、従業員24名〉は、1月31日に事業を停止し、事後処理を濱永健太弁護士(大阪市北区西天満4-3-25、弁護士法人飛翔法律事務所、電話06-6361-7141)ほか2名に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1952年(昭和27年)4月に設立したたばこ卸売業者を母体とし、2005年(平成17年)11月に別途設立されたたばこ卸売業者。国産および外国産たばこを取り扱い、国内全域のたばこ販売店や問屋筋のほか、大型商業施設、コンビニエンスストア、アミューズメント施設、レジャー施設、エンターテインメント施設などへ販売。地域や客層により異なる銘柄や購入数量データを管理・分析することで需要に即した提案を行うなどして業容を拡大し、2014年3月期には年売上高約120億円を計上していた。

 しかし、成人喫煙率が低下するなか、得意先小売店の廃業が相次いだほか、2018年7月の改正健康増進法の成立、同年10月のたばこ税増税など、事業環境の悪化が続いていた。加熱式たばこを含むリスク低減型製品の取り扱いを広げることで業容維持を図っていたが、売上げ減少に歯止めが掛からず、2019年3月期の年売上高は約82億5800万円にまでダウン。その間、人手不足を背景とする得意先への配送費上昇などで収益が低迷し、資金繰りもひっ迫、取引金融機関に対して借入金の返済リスケジュールを要請するなどでしのいでいた。

 2019年夏以降は納品遅延が頻発していたこともあってさらに販売量が落ち込み、先行き見通しが立たなくなり今回の事態となった。

 負債は約8億円。