「僕の行きつけの店のカレーラーメンを紹介しますよ」と言うのは、『異世界駅舎の喫茶店』や『うみゃーがね!名古屋大須のみそのさん』など、名古屋めしをテーマとした小説や漫画原作を手がける作家兼名古屋めし専門料理研究家のSwind(スインド)さん。その店は、愛知県・知多半島の付け根あたりに位置する東浦町にある『あっ晴れノ山は高らか!!緒川店』だった……。

濃厚なスープに極太麺、これが名古屋スタイルのカレーラーメンだ!


老若男女問わず、みんな大好きなカレーとラーメン。

でも、それらを一つにしたカレーラーメンの有名店が少ないのはなぜだろう?

単純に美味しいモノ同士をかけ合わせただけではダメなのか。

ラーメンに寄せればカレー感が失われてしまうし、カレーに寄せれば麺が負けてしまう。

そのバランスが難しいのだろう。


そんななか、
「よろしければ、僕の行きつけの店のカレーラーメンを紹介しますよ」と名乗りを上げたのは、『異世界駅舎の喫茶店』や『うみゃーがね!名古屋大須のみそのさん』など、名古屋めしをテーマとした小説や漫画原作を手がける作家兼名古屋めし専門料理研究家のSwind(スインド)さん。

その店は、愛知県・知多半島の付け根あたりに位置する東浦町にある『あっ晴れノ山は高らか!! 緒川店』。

ここは名古屋市瑞穂区や大府市などに展開するラーメン店『麺屋 あっ晴れ』の系列店。

もともと、つけめん専門店としてオープンしたが、今年1月にリニューアル。

「山は高らかに!!」という店名からもわかるように、ボリュームたっぷりのラーメンが特徴だ。


「なにはともあれ、注文してみましょう」と、Swindさん。

待つこと7、8分。

目の前に現れたのは、モヤシとキャベツ、ニンジンがテンコ盛りの、まさにそびえ立つ山。

その名も「カレーラーメン〜二郎系〜」(890円)。

麺は茹で前で200g、それに150gの野菜がどーんとのる。

私のような五十路になると、このテのラーメンはあまり食べなくなるので、思わず怯んでしまった(笑)。


「まぁ、とりあえず食べてみてください」と、勧められるがままに、野菜をかき分けて麺を引っ張り出してズルズル。

ん?

これは!?

かなりカレー寄りに作られているが、極太麺ゆえに濃厚なスープをしっかりと受け止めているではないか!


「濃厚なつゆと太麺、というのは、名古屋のカレーうどんに近いですよね?
だから、名古屋人にとってはど真ん中の味だと思うんです。
しかも、カレーうどんと同様に、ご飯にもめちゃくちゃ合うんです」(Swindさん)


麺と具材を食べ終わったあと、「追い飯」(150円)を注文すると、丼の中にご飯ととろけるチーズを入れて、カレーリゾットにしてくれるサービスも実施中。


では、スープや麺については、店長の小林幸平さんに聞いてみよう。

「ベースとなるのは、豚と少量のもみじでとったスープになります。
それに自家ブレンドしたカレー粉を合わせています。
口に入れたときに感じるほのかな甘みは、マンゴーなどのフルーツとたっぷりの玉ネギで出しています。
とにかくスープが濃厚なので、それに負けない特製の極太麺を使っています。
強力な歯ごたえと小麦本来の味と香りが特徴です」とのこと。


「カレーラーメン〜二郎系〜」は、ニンニクやアブラ、カラメ(味濃いめ)、魚粉などの無料トッピングのほか、ランチタイムはでら盛り(野菜マシ)も無料になる。

「また、麺1kgとでら盛りW(野菜500g)、からあげととんかつ、コロッケの揚げ物トッピング全のせと、チャーシュー、コロチャーシューなどなど、総重量4kgの『4kgカレーラーメン』(2980円)もあります。

30分以内で完食できればタダになりますが、今のところ2名しか成功していません(笑)」(小林さん)


「4kgカレーラーメン」は別として(笑)、自分好みの味にカスタマイズできるというわけだ。

ところで、Swindさんの好みの食べ方は、からあげとコロチャーシューがのる「唐揚げカレーラーメン」(1150円)とか。


「カレーなので、もちろんとんかつも合うんですけど、僕のオススメは絶対にからあげ。
下味に使ったニンニクがカレースープととても相性がイイんです。
スープが染みた衣もたまりません」(Swindさん)

「食べてみたいけど、こんな量はとても食べられない!」という方には、小盛りサイズの「カレー小次郎」(790円)もあるので、ご安心を(笑)。

あっ晴れノ山は高らか!! 緒川店
[住所]愛知県知多郡東浦町大字緒川字三角35-1
[TEL]0562-84-1555
[営業時間]11:30〜15:00(14:00L.O.)、18:00〜22:00(21:30L.O.)
[定休日]木曜

永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。