11月中旬、Twitterに「トピック(Topics)」機能が全面実装された。ユーザーは広範な話題のなかから、「K-POP」「釣り」「NASCAR」(米国のモータースポーツを統括する全米自動車競争協会の略称)など関心のあるものを選ぶことで、フォローしていないアカウントの人気ツイートを閲覧できる。Twitterは今後、ユーザーがフォローしているトピックにもとづいた広告のカスタマイズも実施するだろうと、同機能に詳しい関係者はいう。

ユーザーは最初の段階で約300のトピックをフォローできる。タイムラインに表示されるツイートは、Twitterのアルゴリズムと生身の人間によるレビューの組み合わせによって選ばれる。アドバイヤーたちは、この新機能がTwitterの関心ベースの広告ターゲティング能力を強化することを期待している。

ユーザーが何に関心をもっているかを判断するTwitterの基準は大雑把で、不可解な部分もある。本記事の著者のアカウントの「Twitterから取得した興味関心」には、「水」「卵」「天気」といったものから、ソフトバンクCEOの「孫正義」まであった(自分のアカウントでトピックに何が選択されているかはここで確認できる)。

「マーケターの頼もしいリソース」

メディアエージェンシーのエッセンス(Essence)でメディアアクティベーションビジネス担当責任者を務めるマリア・コラリ氏は、トピック機能によって「Twitterは、より正確で詳細な関心ベースのターゲティングが可能になる。どのトピックをフォローするかをユーザーが主体的に選択できるのがポイントだ」と話す。

Twitter米国クライアントサービス担当バイスプレジデントのJP マウ氏は、Eメールで発表した声明のなかで、トピック機能を使えばユーザーは自分の関心をより簡単にフォローできると述べ、またブランドの文化的関連性が消費者の商品購入の意思決定に影響すると指摘した。

「トピックは消費者だけでなく、マーケターにとっても頼もしいリソースだ。絵画からNBA、『ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)』まで、多岐にわたる内容がブランドの文化的関連性を高め、オーディエンスとの対等な関係構築を促すはずだ」と、マウ氏は述べる。「今後は広告プロダクトをトピック機能と融合させることを楽しみにしている」。

逆に垣間見える「不安要素」

広告プロダクトのアップデートは、消費者視点からは単なる繰り返しに見える。しかし、広告主から見ると、特定のトピックやイベントに関連した広告ターゲティング能力の向上は強みだ。とりわけ、スーパーボウルやアカデミー賞などのビッグイベントを控え、広告価格が高くなる時期には重要になるだろうと、デジタルエージェンシーのジェリーフィッシュ(Jellyfish)でペイドソーシャル担当バイスプレジデントを務める、シャムスル・チョーダリー氏はいう。同氏によれば、Twitterの広告ターゲティング能力の拡充は以前から求められてきた。

チョーダリー氏はさらに、Twitterはこれまで新たな広告プロダクトのローンチにつまづいてきたと指摘する。同氏が前職の頃、クライアントの1社は「プロモーテッド・モーメント(Promoted Moment)」を最初期に利用したが、キャンペーンの成果は期待はずれだった。彼はこの件を振り返り、「価格に見合った価値を提供していなかった」と話す。

「多くの広告主は過ちを許さず、直近の記憶にとらわれる。リリース直後に使ってみてうまくいかなければ、半年は手出ししないか、あるいは完全に手を引いてしまう」と、チョーダリー氏はいう。

今年10月、第3四半期の売上と利益がアナリストの予想を下回ったことを受けて、Twitterの株価は急落した。同社の説明によれば、モバイルアプリのプロモーションプロダクトに想定外のバグが生じ、広告ターゲティングと効果測定パートナーへのデータフィードバックが阻害されたことが原因だという。この問題の余波は第4四半期も続くだろうと、同社は予測している。

「スポンサード」機能の実装

アドバイヤーの見通しによると、Twitterは今後、前例にならってトピックに「スポンサード」機能を実装するだろう。「話題を検索」のタブに表示される、パブリッシャーが提供するモーメントやプロモトレンドなどがたどってきたのと同じ流れだ。

通常広告は今後も変わらずユーザーのタイムラインに挿入される。そのため、トピックに特化した広告プロダクトをTwitterがリリースする前でも、「広告主はこの機会に、キーワードターゲティングや会話ターゲティングといった戦略を駆使して、関連性の高いトピックにエンゲージする消費者にリーチできる」と、メディアエージェンシーのゼニスグローバル(Zenith Global)でソーシャル担当責任者を務めるナタリー・カーダー氏は語る。

トピックはTwitterでのオーガニックリーチを最大化したいブランドやパブリッシャーにも強い味方になると、ソーシャルエージェンシーのウィー・アー・ソーシャル(We Are Social)で戦略担当責任者を務めるハーベイ・コッセル氏はいう。ソーシャルメディアマネージャーは、トピックを利用して、特定の話題において影響力の大きいユーザーを把握することができるだろう。

「コンテンツがあるカルチャーのなかでの話題と合致していれば、発見される確率は上がる」と、コッセル氏はいう。「トピックには多種多様な意見が集まるので、エコーチェンバーの外側を見ることもできる」。

広告提示のチャンスも増える

Twitterは、新規ユーザーがプラットフォームに慣れる段階において、トピックが役立つと期待している。多数のアカウントをフォローしたり、彼らとやりとりしたりしていなくても、トピックがあれば滞在時間が長くなるはずだからだ。ユーザーが増え、滞在時間が長くなれば、当然ながら広告提示のチャンスも増える。

なおTwitterは、同プラットフォームの「マネタイズ可能なデイリーアクティブユーザー」が、第3四半期に前年比で17%増加し、1億4500万人になったとしている。

Lala O'Reilly(原文 / 訳:ガリレオ)