アイルランド主将のHOロリー・ベスト【写真:荒川祐史】

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世界的HOベストはこの試合で引退、粋な演出に感激「NZの幸運を祈りたい」

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は19日、準々決勝を迎え、東京スタジアムでは世界ランク1位ニュージーランドが同4位アイルランドを46-14で撃破。3連覇へ4強入りを決めた。26日の準決勝(横浜国際総合競技場)ではイングランドと対戦する。試合後、今大会限りで引退するアイルランド主将のHOロリー・ベストへ向け、両軍選手が一人のために花道を作って称える粋な演出を見せた。

 激闘を繰り広げたピッチに異例の光景が広がった。両軍の選手が両サイドに分かれて並び、列を作る。そこに迎え入れられたのはベストだった。今大会限りで引退を表明していた37歳。すなわち、敗れたこの試合が現役最終戦となった。勝者のニュージーランドより先に花道を通る。両軍の選手は拍手で迎え、ベストは感激の面持ちで過ぎていく。引退する選手のために勝者と敗者が立場を越えた感動のシーンを作った。大会公式ツイッターも動画付きで速報し、名場面を共有している。

 その後、場内インタビューに立ったベストは感激の面持ち。「観衆が本当に素晴らしかった」とファンに感謝した上で「チームメート、コーチングスタッフ、特にジョーはアイルランドのラグビーのレベルを異なるレベルに引き上げた。最大の感謝を述べたい。オールブラックスの幸運を祈りたい」と語った。ベストは世界的フッカーとして知られ、代表通算124キャップを誇る。この日も先発出場し、後半22分に退くまで体を張って奮闘。途中交代の際にはベンチから総立ちで迎えられていた。(THE ANSWER編集部)