「東京ディズニーランドを〜♪ 一人占め、なんて〜♪」

女優・上白石萌歌さん(19)のこんな歌で始まる「ENEOS パーフェクトドリームキャンペーン」のCM。すでにテレビ放映は終了しているが、印象的な歌詞やメロディーを覚えている人も多いのではないだろうか。

ところでこのCMをめぐって、こんな疑問の声が出ていたこと、ご存じだったろうか。

「一人占めちゃうやん!1万人占めやん!!!」
「一万人!?!?!?一人占めは!?!?」

どういうことなのか。今回のキャンペーンは、当選者一万人がディズニーランドの「貸切ナイト」を楽しめるというもの。しかしCMでは、上白石さんの「東京ディズニーランドを一人占めなんて...できるの?」という問いかけに、ENEOSのスタッフは、

「一緒に、叶えましょう!」

と応じる。そして最後には「貸切ナイト、一万名様、ご招待!」とナレーションが入るのだ。

要するに、CMでは「一人占め」と言っているのに、実際は「一万人占め」じゃないか――そんな疑問を抱くユーザーが出ていたのだ。確かに言われてみれば、なんとなく矛盾しているような気がする...。


プレスリリースより

こうした疑問について、CMの制作側はどう考えるのだろうか。Jタウンネットが、「ENEOS」ブランドを展開するJXTGホールディングスに取材した。

前半のシーンは「夢の中」だった

改めて、CMの内容を整理しよう。

最初のシーンは、上白石さんがディズニーランドを「一人占め」しているシーンだ。そうした映像にあわせて、「東京ディズニーランドを〜♪ 一人占め、なんて〜♪できるの〜?」という歌声が流れる。

すると、CMの展開は一変。上白石さんは急に「ENEOS」のガソリンスタンドとみられる場所にワープし、スタッフから「一緒に、叶えましょう!」と声をかけられる。そして、軽快なメロディーにあわせて、

「ENEOS!ENEOS! 一万人の夢、叶えちゃいます♪」

との歌声が。その後、ナレーションで「貸切ナイト、一万名様、ご招待!」といった情報が紹介され、そのままCMが終わる...という流れだ。

こうやって改めてみると、「一人占め?一万人?え、どっちなの?」という疑問を抱くユーザーが出ているのも理解できる。それでは、ENEOS側の見解はどうなのだろうか。


上白石萌歌さん(19年7月撮影)

2019年10月4日、Jタウンネットの取材に応じたJXTGホールディングス広報グループの担当者は、

「前半は夢の中、後半が現実という設定なんです」

と話す。

いったいどういうことなのか。詳しい話を聞いてみると...

「上白石さんが一人でディズニーランドで遊んでいるシーンは、彼女が『一人占めしたい』という夢を見ているというわけです。その夢から覚めたのが、ガソリンスタンドのシーンになります」

なるほど。前半と後半で状況が違うため、「一人占め」(夢)と「一万人で貸切」(実際のキャンペーン)という違いが出ているのだ。

だが、ENEOSのスタッフが、「一人占めなんて、できるの?」という問いかけに、「一緒に叶えましょう!」と言っていることは、どのように説明するのか。

「『ディズニーランドを一人占めしたい』という夢について、ENEOSがお手伝いできれば、その一助ができればという意味を込めた表現になります」

さらに担当者は、「ディズニーランドで一万人の貸切と言うのは、少ない方だと思いますので...」とも補足。その上で、

「誤解が生じないように、CM中でも『一万人』という旨と招待日を説明させていただいています」

としていた。

――モヤモヤとした疑問を抱いていた皆様、これでスッキリしたのではないだろうか。