過去クルマ好きが愛でた装備の多くが姿を消した

 クルマが進化するというのは基本的にはいいこと。しかし、なかには使い勝手などがよかったのに、消えてしまった装備もある。いま残っていれば意外によかったのに、という絶滅装備を挙げてみた。

1)三角窓

 ドア部分、ガラスの角のところに付いていたのが三角窓。開かないものはまだ見かけるが、その昔は開いたのだ。開くと言っても少しだけではなく、ガバっと反対になるまで開けると風が入ってきてかなり涼しく、猛暑でエアコン必須の現在でも乗った瞬間の換気にはもってこいだろう。英語でベンチレーションウインドウというだけのことはあった。ただし、防犯的にはハンディがあった。

2)オーバーヘッドコンソール

 これは天井部分にスイッチを集約したもので、場所的にはいまのクルマのルームランプがあるあたりにずらりとスイッチが並んでいた。操作性も意外によく、なんといっても飛行機の操縦席気分が味わえ、気分もよかった。いまでも十分ありだと思う。

3)エアダクト

 軽トラだとフロントの部分に、スバル・インプレッサにも競技用のルーフにフタ状のダクトが付いていたし、さらに古くはハコスカなどにも通称パタパタと呼ばれる吸気口が付いていて、開けるとけっこうな風が入ってきた。いまの外気導入以上に風が入るので、瞬間的に換気ができるのはよかった。

4)リトラクタブルヘッドライト

 消えた理由はさまざま語られているが、某スポーツカーの神様的開発者によると、前方視界が遮られ、欧州の規制に引っかかってしまうからだという。とはいえ、スーパーカー世代には涙ものの装備だけに、LEDを仕込んだりして細目になってもいいから、あの雰囲気を現代に蘇らせてほしいものだ。

いま復活させたら流行りそうなものも!

5)手回しウインドウ

 電動で上下するのに越したことはない気はするが、改めて使ってみるとこれが意外に便利というか簡単操作で、これでもいいじゃんと思ったりする。そもそも最近はエアコンもつけっぱなしだし、料金所もETCで通過なので、開閉機会も激減。となると手回しでもいいのでは? 今風のデザインとなったハンドルも見てみたいものである。

6)キャブレターの音

 もはや環境などで復活はありえないのは重々承知。でもあのカボっという大口径キャブの音だけでも復活できないものか。いまや車内に向けて作った排気音をスピーカーから流しているだけに、人工的なものならできると思うが。

7)フェンダーミラー

 これもいま改めて使ってみると、横にいるクルマを発見しやすいし、車線変更もしやすい。タクシーだとジャパンタクシーが採用していたりして現役だが、乗用車でもぜひ復活させてもらいたい。要はあの大きくて野暮ったいデザインだから古臭いわけで、今風のデザインで作ってみると案外かっこいいものができるかもしれない。

8)ビルトインのジュニアシート

 日本車ではなくなってしまった、ビルトインのジュニアシート。子どもが座るときに、座面がそこだけ高くなってしっかりとシートベルトを締められるようになるというもの。いまだに使用率が低い日本だけに、対策としても効果を発揮すると思われる。