明日、米が対中制裁「第4弾」発動!主要業界の影響を検証
自動車 消費者心理の悪化懸念
日本の自動車メーカーが米中間で輸出入する完成車の台数はわずかで、関税摩擦の直接的な影響は軽微だ。関係者が懸念するのは消費者心理の悪化で、「影響は大きい」(倉石誠司ホンダ副社長)と指摘する。貿易戦争激化によって景気の先行き不安が広がれば、新車市場を冷やす。
特に中国市場の後退が鮮明だ。7月の中国新車販売は前年同月比4・3%減の180万台と13カ月連続のマイナス。1―7月累計は前年同期比11・4%減の1413万台となっており、2019年でも2年連続の前年割れの可能性が高い。さらに「貿易摩擦が続けば、20年以降も回復は緩やかになる」(自動車業界アナリスト)。
工作機械 投資「もう1段」後退懸念
工作機械業界は米中関係の悪化が受注に悪影響を及ぼしている。経済の不確実性は設備投資判断をより慎重にし、投資の見送り機運が高まっている。日本工作機械工業会(日工会)のまとめでは、6月の工作機械受注が32カ月ぶりに健全水準の1000億円を割り込んだ。工作機械各社の2019年度業績予想も下方修正が相次ぐ。
その上に第4弾の発動となれば、設備投資意欲をもう1段後退しかねない。顧客の仕事量が減ることが想定され、工作機械メーカー幹部は「影響は大きい」と悲観する。
一方、12月の制裁発動となったスマートフォン向けの受注については「ほぼ影響はない」(工作機械メーカー首脳)と見る向きもある。「総需要は変わらず、生産者と生産地が変わる。それを追いかけるだけだ」(同)と商機を見通す。
電機 生産移管などリスク回避
「米中貿易摩擦関連で、リスクを排除したい」。シャープの野村勝明副社長はサプライチェーン見直しの理由をそう説明する。同社はベトナムに新工場を建設して、中国で生産していた米国向け車載用液晶ディスプレーなどをベトナムから供給できるようにする。2020年度にも稼働予定。加えて中国で生産するパソコンについても、将来的にベトナムへの移管を検討している。
カシオ計算機は中国での生産比率の高い時計事業が影響を強く受けそうだ。タイや日本の拠点へ生産移管を進めることで影響は半減できると踏んでおり、対応を急ぐ。
京セラは19年度内にも北米市場向け複合機の生産を中国からベトナムへ移管する方針だ。一方、従来ベトナムで手がけていた欧州向けの製品を中国生産へ切り替えて、両大国間の報復関税争いを回避する。
