時代の変化とともに、その印象や存在感が変わりつつある「お酒」。クラフトビールやクラフトジンなど多様な種類のお酒が流行する一方で、「飲み会が嫌い」という人もよく目にするようになりました。

R25世代にとって、いまベストな「お酒との付き合い方」はどんなものなんだろう…。

特集「新・飲酒論」では、いまの時代をとらえた「お酒」の話を深堀りしていこうと思います。



若い世代とお酒…といえば、SHOWROOM創業者・前田裕二さんは、大の「スナック」好き。SHOWROOMのビジネスモデルも、スナックに着想を得ていると語ります。

SHOWROOM前田裕二、ビジネスモデルは「スナック」仮想ライブ空間は孤独な路上弾き語りから生まれた
https://www.businessinsider.jp/post-104121

ほかにも、ビジネスの世界で成功している人たちの間では「これからの時代はスナックだ!」と語られているそう…。いったい、スナックにはどんな魅力があるんだろう?

ということで今日登場するのは、「怒りの熱血プロレスラー」というキャッチコピーで『エンタの神様』に出演し、毒舌なネタを披露していた「摩邪」こと、まちゃまちゃさん。

R25世代にとってはなつかしい存在ですが…実は彼女、2年前から高円寺で会員制のスナックをオープンし、ママとしてお店に立っているのだそう。

スナックの魅力を探りに、お店へ行ってきました!

〈聞き手=森伽織〉


【まちゃまちゃ】テレビ番組『エンタの神様』でプロレスラー「マジャ・コング」のキャラで一世を風靡。マイクパフォーマンス風の毒舌漫談を披露していた。2年前に会員制スナックをオープン。大の音楽好きで、お店にはミュージシャンの方も多く足を運ぶとのこと。氣志團の綾小路翔とは中学の同級生

スナックを始めたのは、ミニコントがきっかけ

まちゃまちゃさん:
お、いらっしゃい。


テレビで見てたよりさらに顔が怖い気が…

森:
よろしくお願いします…! まちゃまちゃさんがスナックを始めたきっかけは何だったんでしょうか?

まちゃまちゃさん:
芸人になってからお酒の楽しさに気づいて、毎日飲んでたら、だんだん声が出なくなってきちゃって…


こわ

まちゃまちゃさん:
「このまま声が出なくなったら、地元の千葉県でガラガラ声のママとしてスナックでもやるか!」って思ったのがきっかけですかね。

森:
たしかにスナックのママといえばガラガラ声のイメージがありますが…

まちゃまちゃさん:
あまりに声がガラガラなんで、仲間内のミニコントで『スナックのママ』ってふざけてたら、こうなってました。

飲みの席で一緒に飲んでいる友達から「ママ」って呼ばれたりしながら疑似スナックのママをしてたんですよ。

そのうちに、「早くスナックやってよ」「まちゃがスナックやったら気軽に飲みに行けるのに〜」って言われるようになって。「じゃあホントにやってやるか!」と。



超多忙な売れっ子時代に「自分らしい生活がしたい」と思った

まちゃまちゃさん:
でも、一番の理由は「自分らしい生活がしたい」と思ったことですね。

森:
どういうことですか?

まちゃまちゃさん:
テレビにたくさん出てたころ、忙しすぎて「4時間寝れたらラッキー」みたいな生活だったんですよ



まちゃまちゃさん:
当時、営業で日本各地をまわってたんですけど、その記憶もあいまいなんです。

最近、旅行で地方の空港に降り立ったとき「どっかで見た景色だな? デジャヴ!?」って怯えましたもん。どうやら行ったことある土地だったんですけど記憶がないという。

森:
芸人って、売れるとそんなに多忙になるんですね…

まちゃまちゃさん:
そうなんですよね。ありがたいことなんですけど、わけわかんないくらい忙しすぎて、自分が自分じゃないみたいな感覚だった。

そんなときにふと、子ども時代を過ごした地元の、スナックのママを思い出したんですよ

森:
子どものころからスナックのママが身近にいたんですね…

まちゃまちゃさん:
そう。うちの実家、美容院なんですけど、そこに毎日夕方ぐらい、営業時間の最後に来て髪のセットをして出勤するスナックのママがいたんです。

すごくダルそうな感じで来るときもあって、仕事に行くのに全然気負ってない。それが「今の自分にないものだな〜」って、いいなぁと思ったんです。今考えればそのママも大変だったと思うんですけど(笑)。



まちゃまちゃさんが語る「スナックならではの魅力」とは?

森:
なるほど…スナックに癒やしを求めたんですね。

実際始めてみてどうでしたか?

まちゃまちゃさん:
いや〜、最高ですよ。

スナックほど現代人を癒やしてくれるところはないと思いましたね。

森:
そうなんですね…!

居酒屋とかバーとか、他にもお酒を扱うお店があるなかで、スナックならではの魅力って何なんですか?

まちゃまちゃさん:
それはねえ…スナックのなかには、人間の上下関係がないことですよ。

森:
人間の上下関係…

まちゃまちゃさん:
たとえば、もしこの店がしゃれたバーだったら、ある程度はお客さんに言われたこともガマンしなきゃと思うじゃないですか。

でも、スナックなら、「お前、調子乗んなよ」って言えるんですよ。


言えるのはまちゃまちゃさんのキャラもある気がしますが…

まちゃまちゃさん:
昔、貧乏だったころに中野のキャバクラで働いてたことあるんですよ。

でも、なんか女を武器にしてる感じがすごい苦手で「すいやせん」って思ってて

逆に客のほうも女を品定めしてるような感じがあるでしょ。「芸人やってます」なんて言うとバカにしてくるヤツもいたしさ。

森:
なるほど…

まちゃまちゃさん:
オープンしてすぐのころに、お客さんから、「スナックに行きたくなるのってなんでだと思う?」って聞かれて…なんでだと思います?

森:
お酒を飲みたいから…じゃないですよね



まちゃまちゃさん:
それももちろん正解ですけどね(笑)!

その方は「スナックに行きたくなるのは、お酒を飲みたいからじゃない。ママの作るルールや雰囲気に合わせるのが楽しいからなんだよ」って教えてくれたんです。

森:
おお…上下関係なく、むしろ相手に合わせることが心地いい空間ってことなんですね。

まちゃまちゃさん:
そうそう。

だから「まちゃさんがいいなら、もっと強気の値段でもいい。スナックはママがルールなんだよ」って。

ほかの飲食店をやってる方には申し訳ないけど、そういう心地いい営業ができるのがスナックのいいところですよ。

森:
たしかに…居酒屋とかバーでは味わえない空気感がある気がします。



スナックで…「稼いでるわけねえだろ(笑)!」

森:
ちなみに今、芸人さんとしてのお仕事はどれくらいのペースでしているんですか?

まちゃまちゃさん:
「くそっ、仕事ねえ!」ってくらい暇ですね。


アカンやん

森:
じゃあ今は、スナックのほうでたくさん稼いでいるんでしょうか?

まちゃまちゃさん:
稼いでるわけねえだろ(笑)!

気まぐれ営業だし、お客さんが全然来ない日もあるので、店でつっぷして寝てる日もあります。

森:
それ辛くないですか?

まちゃまちゃさん:
それが「誰も来ないわ〜」なんて、一人でため息ついてる状況ですら、「ママっぽい」って楽しんじゃってるんですよ。

でも、芸人として一番忙しかった時期は、稼いでても記憶ないぐらいしんどかったわけですからね

自分に合った感じで働けてれば、そこまで稼げてなくもしんどくならないんだと思います。



これまで、なんとなくオジさんたちが行くものと思っていたスナック…。

しかし、「フラットな人間関係にもとづいた居心地の良さ」という、時代をとらえた魅力があることがわかりました。

お酒を遠ざけがちなR25世代も、「現代人を癒やしてくれる」というスナックに一度足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

〈取材・文=森伽織(@orca_tweet1)/編集=於ありさ(@okiarichan27)/撮影=為永直樹〉

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