ウミガメの産卵場所を掘り起こす観光客(画像は『Andrew Dymburt 2019年7月2日付Twitter「**YOU DO NOT DO THIS, EVER!!!!*」』のスクリーンショット)

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ウミガメはごく一部を除いて絶滅危惧種に指定されている。しかしアメリカのビーチで、観光客がウミガメの産卵した場所を掘り起こすという信じられない行動が動画で拡散され、人々は怒りの声をあげている。『New York Post』『Miami Herald』などが伝えた。

米フロリダ州のパームビーチ郡ボカラトン市はビーチリゾートとして知られ、多くの観光客が訪れる。だがこのほどボカラトンビーチで、一部の観光客によりウミガメが危険にさらされることになった。

この地域のビーチはウミガメの産卵場所となっており、絶滅危惧種のウミガメの中で最も絶滅の危機に瀕しているオサガメが産卵にやってくる。そのウミガメ達の巣は、沿岸および海洋生態系の管理を行うガンボリンボー・ネイチャー・センターが見守っている。

当センターでは、ウミガメの巣の周囲にロープを張り「触らないで!」と注意書きまでしていた。ところが今月2日、観光客がウミガメの巣がある砂浜を1メートルほど掘り起こし、孵化したばかりのオサガメ68匹を取り出してバケツに入れるという信じられない行動に出たのだ。

偶然にもそこに居合わせた『WSVN 7News』リポーターのアンドリュー・ディンバートさん(Andrew Dymburt)が、その様子を動画に撮影しSNSに投稿した。アンドリューさんは「愚かな観光客が巣からバケツ2杯分のウミガメを掘り出して殺そうとしている!」と記し、怒りを露わにした。

動画には観光客であろう少年が巣を掘り起こし、その周りで他の観光客が注意するわけでもなく傍観している様子が捉えられていた。残念なことにビーチの監視員もその様子を見ており、バケツに入ったウミガメを受け取ると監視台の下に保管していたとのことだ。

アンドリューさんの投稿には、「これは重罪でしょ」「彼らは全員最高罰金刑を受けるべきだ」「まったく信じられない。あまりにも悲しくなる」といった批判の声が続出した。

ボカラトン市ではこの問題を認識しており、同市の広報マネージャーであるクリッシー・ギブソンさん(Chrissy Gibson)は観光客の行動について次のように明かしている。

「ウミガメを掘り起こした人達は猛暑の砂浜の中では死んでしまうと思い、湿った砂を入れたバケツに避難させたと話していました。悪意があったわけではないようです。」

しかしウミガメは孵化の最中に移動させると死に至ることもあり、今回のことを受けてガンボ・リンボー・ネイチャー・センターではウミガメの巣に近づかないこと、そしてウミガメには手を触れないことなどの啓蒙ビデオを制作、公開し次のように訴えている。

「ウミガメの産卵や孵化に関して、決して彼らの邪魔をしないでください。どうしてもウミガメの巣が気になるのであればフロリダ州魚類野生生物保護委員会に連絡をください。決してウミガメに触らないでください。」

ちなみにハワイではウミガメに触ると罰金が科せられるが、日本でも一般的にウミガメやその卵の採捕、売買は規制されている。

画像は『Andrew Dymburt 2019年7月2日付Twitter「**YOU DO NOT DO THIS, EVER!!!!*」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)