テスラ公式フェイスブックページより

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テスラは自動車メーカーではなく「エネルギー企業」
 元号が令和になり2カ月が経とうとしている時に平成時代の話で恐縮だが、昨年10月から今年3月まで放送されたNHK朝ドラ『まんぷく』は、日清食品創業者・安藤百福夫妻をモデルとした物語だった。

 ドラマの中では安藤百福氏が発明した世界初のインスタントラーメンである「チキンラーメン」が、「まんぷくラーメン」と名を変えて登場。その発売後に、それを模倣した粗悪品が出回ったことから、特許を開放し「即席ラーメン協会」を設立する経緯が描かれた。

 これは実話をなぞったエピソードらしく、特許庁のHPによれば、実際に安藤百福氏はチキンラーメンの特許技術を開放し、1964年に日本ラーメン工業協会(現・日本即席食品工業協会)を設立している。ライセンス制にして品質を維持しながら、インスタントラーメンという食品そのものを普及させることにしたわけだ。目論見どおり、その後インスタント麺は一気に普及し、海外でも売れるようになった。

 安藤は特許開放にあたり「野中の一本杉としてではなく、森として、産業として発展させたい」と語っていたそうだが、2014年に同様の考えのもと、虎の子の特許技術を開放した米国のベンチャー企業がある。電気自動車(EV)開発のトップランナーともいえる「テスラ」である。

 『INSANE MODE インセイン・モード』(ハーパーコリンズ・ジャパン)は、テスラと、同社共同設立者兼CEOイーロン・マスク氏の軌跡を中心に、「EV革命」の動向を追ったノンフィクションである。著者のヘイミッシュ・マッケンジー氏は、テスラに在籍した経験もあるジャーナリストだ。

 同書によると、イーロン・マスクCEOはテスラを、自動車メーカーではなく「エネルギー企業」と考えている。実際、テスラはロードスター、モデルS、モデル3と画期的な高性能EVを次々と発表する一方で、EV用の充電池を単独のエネルギー貯蔵装置として販売し、2016年には商品のラインナップに太陽光パネルを加えている。

 では、なぜエネルギー企業なのか。「スペースX」を創業し宇宙事業も手がけるイーロン・マスク氏が「人類を火星に移住させる」という壮大な構想を持っているのをご存じかもしれない。

 彼によると、それを実現するには、まだしばらく時間がかかる。しかし、それまで地球がもたないかもしれない。世界中でガソリン車が排気ガスをまき散らしているせいで、環境破壊が止まらず、地球が激しい気候変動にさらされているからだ。