Windows版iTunesは存続からアップル製忘れ物防止タグが開発中?まで。最新アップルの噂まとめ
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今月初めの開発者向け会議WWDC19開催後に、続々と届けられている主要デバイス向け新OSの情報。iOS 13ではiPhone 6/5sがサポートされない例外はあるものの、数年前のデバイスであれ新機能が追加、あるいはパフォーマンス向上が期待できるのがアップル製品の嬉しいところです。

Windows版iTunesは存続からアップル製忘れ物防止タグが開発中?まで、最新の噂や情報をまとめて振り返ります。

iOS 13に迷惑電話対策が追加。Siriで知らない番号からの着信を無音化、ボイスメールで通話を送信



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スマートフォンがどれほど進化しようとも、基本的に「人と人が会話する電話」という基本要素に変わりはありません。この点につき、今秋リリースが予定されるiOS 13の公式プレビューページ(英語)では「未知の着信の静音化」機能の追加が謳われています。

このページとテック系メディアThe Vergeの情報を総合すると、本機能を有効にすると、Siriの人工知能が着信番号を連絡先やメール、メッセージ内を検索。そして未知の番号と判断された場合はすべて着信音がオフにされ、相手の通話内容は自動的にボイスメールで送られてくるとのことです。

GoogleもスマホのAIアシスタントが電話の初期応対をするCall Screenを発表していましたが、こちらは「電話番号が既知か未知か」でフィルタリングするしくみ。迷惑電話に時間が奪われる事態を水際で阻止するとともに、初めてコンタクトを取ってきた有用な相手の連絡を聞き逃す心配もなさそうです。

次期macOS「Catalina」ではDashboard機能を廃止か



アップル製品向けOSのメジャーアップデートでは新機能が追加される一方で、長年にわたって不要となった旧機能は整理されることが恒例です。そうしたリストラ対象の1つに、かつて便利さが親しまれていたmacOSのDashboardが浮上してきたとの推測です。

2005年のOS X 10.4 TigerでデビューしたDashboardは、付箋や天気予報、時計や電卓などウィジェット(小さなアプリ)が一箇所にまとめられてアクセスできるもの。まるで飛行機や車のダッシュボード(必要な計器類をまとめたボード)のように、細々した情報を一望できることが取り柄でした。

しかし海外テック系サイトAppleosophy調べによると、開発者向けmacOS Catalinaベータ版ではDashboardが存在する痕跡なし。アプリケーションビューでも廃止されるiTunesと同じくアイコンが「?」とされ、Terminalコマンドでも有効にできないと伝えています。

現世代のmacOS Mojaveでも、Macをリモート操作できる「どこでもMy Mac」機能が廃止されていました。Catalinaにて鳴り物入りで導入された新機能も、いつかひっそりと消える日が来るのかもしれません。

アップル製忘れもの防止タグ「B389」は開発進行中?iOS 13ベータから手がかり

9to5Mac

アップルは「iPhoneを探す」と「友達を探す」を統合した新アプリ「Find My」をWWDC19にて発表済みですが、それとセットになる忘れ物防止タグの開発も噂されています。これは自社製品のみならず、あらゆるアイテムに付けて追跡可能とする新ハードウェア製品との説が有力です。

米アップル関連情報サイト9to5Macによると、開発者向けiOS 13ベータ版から製品タイプ"Tag 1.1"とされるデバイス用のアセットが発見されたとのこと。そこからはAirPodsのようにiPhoneに近づけてペアリングされることや、真円のまんなかにアップルのロゴが配された外観らしきデータなど手がかりも見つかっています。

「Find My」の一環としては、T2セキュリティチップを搭載したMacについてはオフライン時でも検索できるしくみが公開されています。デバイスが高機能かつ高価になるほど落とし物や盗難は頭の痛い問題になりつつありますが、「持ち主の手元に戻ってくる可能性が高い」ことがアップル製品の付加価値となるのかもしれません。

iPhoneのバッテリー劣化問題が軽減へ。iOS 13ベータで新充電モード導入



かつてバッテリーが劣化したiPhoneを意図的に低速化したことが発覚して社会的な信用および売上面でも少なからずダメージを受けたアップルですが、開発者向けiOS 13ではバッテリー劣化を抑える対策が導入されたと報じられています。

新たな「最適化されたバッテリー充電」機能は、iPhoneがユーザーの充電パターンを学習し、充電が80%を超えると充電を停止するというしくみ。要はバッテリーの充放電サイクルによる劣化、たとえば最大容量の減少などを抑える効果が期待できるとのことです。

充電式バッテリーにおいて満充電状態は、高温を発してバッテリーに悪影響を及ぼす可能性もあって望ましくないこと。なので、なるべく満充電の時間を短くした方がバッテリー寿命の長持ちも期待できるわけです。

そうした機能はiOSでこそ目新しくはありますが、実はXperiaの「いたわり充電」などが先行しているもの。ユーザーが充電器を長時間使用している時間帯を学習するという仕組みから、不規則な生活をしている人は外出時に満充電になっていないことも......といった、人による向き不向きも指摘されています。

iOS 13正式版で導入された後も、ご自分の生活習慣を振り返り、機能のオンオフを切り替えた方が良さそうです。

iPadのマウス対応はBluetoothも? iPhoneで使える可能性も浮上

Apple

すでに開発者向けiPadOSベータ版ではUSBマウス入力のサポートが明らかになっていましたが、さらにiOS 13も対象となり、Bluetoothマウスも使える可能性があるとの続報です。

アクセシビリティ(障がい者の方々もデバイスを使いやすくする機能)の専門家であるSteven Aquino氏は、アップルがマウス入力サポートに取り組んでいると数年前に知らされていたとのこと。その上で、マウス入力は(一般ユーザーが広く使うのではなく)あくまで特定ユーザーセグメント(タッチ操作が困難な人々)のためのアクセシビリティ機能だと強調されたと伝えています。

iPadOSでは「ファイル」アプリがローカルストレージ機能や外付けストレージ管理にも対応し、ますますデスクトップPCに近づいた感もあります。

その路線にマウス入力サポートが加わればユーザー側の「iPadだけでデスクワークが完結」という夢に近づきますが、反面ではiPadの独自性やApple Pencilなどアップル製オプション機器の意義が薄れる可能性もありそうです。そのため、アップルは「マウス入力は一般ユーザー向けではない」と主張しているのかもしれません。

iPadのMacサブ画面機能Sidecarは「仮想Touch Bar」に対応。Mac側が非搭載でも動作



次期macOS「Catalina」にてiPadを追加ディスプレイに変える新機能「Sidecar」につき、Touch Bar非搭載のMacでもTouch Bar相当の機能がiPad上で使える手がかりが発見されたとのニュースです。

開発者向けiPadOSベータ版では、TouchBarに対応したMacアプリ使用時には、サブディスプレイとしたiPad上にTouchBarと同等のコントロールバーが出現。すなわちMac側にTouch Barがなくても仮想Touch Barが使えるわけです。

実際にTouch Bar搭載Macを使用しているユーザーからは、Touch Barがディスプレイとは離れたキーボード側にあり、タッチタイプをしているとほとんど見ないという物理的な理由から使わなくなったとの声もあります。が、仮想Touch BarはiPad=サブディスプレイ側にあって見やすいはずで、自由に配置できるなら実用度が増すのかもしれません。

macOS版iTunesなき後もWindows版は存続

Microsoft

次期macOSのCatalinaでiTunesが廃止されて「Music」「Podcast」「TV」に3分割された後、Windows版のiTunesはどうなるのか。楽曲ライブラリの管理などに用いていたWindowsユーザーには気になる点につき、アップルは「何の変更もなく存続する」と回答しています。

海外テックメディアArsTechnicaに対して、同社は「Windowsユーザーは以前と同じ体験を維持できるし、Windows版iTunesのサポートを終了する計画は発表されていない」と簡潔にコメント。そもそもiTunesの3分割や「Music」などメディアごとの新アプリ提供は、アップル製ハードウェアと密着した新サービスありきのことで、アップルにとってWindows版を変更するメリットはあまりなさそうです。

そしてiTuneeのライブラリやiCloudに保存したファイルも、新アプリに移行後も引き継ぎ。iPhoneやiPodとMacの同期(バックアップ)機能もFinderアプリで行えると述べられています。将来的には、MacとWindowsでアップルの提供するサービスの享受しやすさに差が開き、それをMacの訴求ポイントとする目論見もありそうです。

アップル、自動運転ベンチャー Drive.ai 買収へ。Project Titan強化に技術者もまとめて獲得の可能性



米国のテクノロジー系有料ニュースサイトThe Informaitonによると、アップルは自動運転ユニットなどを手がけるベンチャーのDrive.aiを買収しようとしているとのこと。この買収は"acui-hire"と呼称され、特許など知的財産権のみならず、開発エンジニアなど主要な人材もまとめて獲得しようとしていると伝えられています。

スタンフォード大学人工知能研究所の院生らが中心となって設立したDrive.aiの頭脳と、アップルの持つ豊富な資金力。これら2つを買収により、互いに補い合えるというわけです。

アップルは数年前から自動運転車プロジェクト「Project Titan」を推進。さまざまな紆余曲折があって今年はじめに200人もの解雇が報じられていましたが、その当時いくつかのキーとなる範囲の開発に集中し、それが「もっとも野心的な機械学習プロジェクト」と述べていました。

その後、新たなLiDAR(3次元レーザースキャナー。レーダーの音を光に置き換えたもの)技術開発のリソース獲得に乗り出す一方で、テスラのテスラのパワートレイン技術担当VPだったMichael Schwekutsch氏を雇用して再びEV車体開発に取り組む可能性もうかがえます。有名アナリストMing-Chi Kuo氏のいう「2023年から2025年にアップルカー」は本当に実現するのかもしれません。