トヨタの「CASE」対応はこの1年でどこまで進んだか
競合関係を超えた連携を加速し、技術からハードウエア、サービスまでCASEのあらゆる要素でプラットフォームを提供する方針を改めて示した。CASE時代のビジネスモデル構築に向けて新たな一歩を踏み出すための“意思表明”だ。
豊田社長は2019年3月期の1年間を「未来に向けてトヨタのフルモデルチェンジに取り組んだ1年」と振り返る。他社との協業や投資など先行投資を積極的に行い、研究開発費におけるCASE関連費用は4割にまで高まった。
一方、収益源については、従来は新車を販売した後も保険や整備、さらには中古車でも稼ぐ「とてもよくできたビジネスモデルの中で成長してきた」(豊田社長)。しかし現在はライドシェア(相乗り)など「MaaS(乗り物のサービス化)」と呼ばれる新たなサービスが広がりを見せており、ビジネスモデルが壊れる可能性がある。
豊田社長はビジネスモデル転換の方向性として「よりよい社会の追求がビジネスモデルにつながる」と強調。社会課題に入り込み、仲間作りを広げることで自社の車両や技術の採用を増やして標準化し、プラットフォーマーになるのが一つの解だ。
その姿勢が鮮明になったのは、4月に発表した電動車の特許開放だ。ハイブリッド車(HV)で培ったモーターやパワーコントロールユニット(PCU)など、電動車の中核技術に関わる特許を無償提供するほか、システムも外販する。
決算説明会で寺師茂樹副社長は「従来はどんな車を売るかの考えだったが、これからは(大気汚染など)社会問題の解決にモビリティーがどうサポートできるかの視点が大切だ」と説明する。
EV覇権争い、電池調達で先手
「協調がなければ企業は単独では生き残れない」と、豊田社長は共存共栄の重要さを説く。トヨタがここ数年で、提携戦略を加速しているのもこのためだ。
