3年前からHPを作成。米国や英国、ドイツ、中国、韓国など向けに焼き菓子の販売を始めていた。だが、1箱中に2、3個程度の壊れ菓子があれば返品されてしまう。「採算が合わない」と思ったが、「ゼリーなら常温で1カ月は持つ。壊れないし、いける」(江藤潤オーナーパティシエ)と判断した。

 取り組みはぐるなびなどの購入代行会社のサイトに商品を掲載。注文が入れば代行会社の配送センターに商品を送る。「10数%からそれ以上の手数料を払うことになるが、手間がかからず、商品開発・製造・販売に力を注げる」と代行会社を使うメリットを挙げた。

 海外向けの販売について「越境ECを始めて以来、まだ数年だが毎年倍増している。さらに増えてくれば独自のドメインを構築して当店のHPから直接購入していただけるようにしたい」と江藤氏は話した。

 「外国の方は日本というブランドを信じている。当店では原料は日本産しか使わない。パッケージも一目で分かるよう和をイメージしたものにしている。そして、お客さまの国や地域の好みを記録し商品開発に役立てている」とし、「マーガリンなどは軽さが好まれることもあると思うが、日本以外では使用をやめた方がいい。私どもはまったく使っていない」と述べた。

対策ポイント 想定国調査・販売方法の吟味がカギ
 越境ECの世界市場規模はこのところ急速に拡大している。日本でも急進展中とはいっても、いまだスタート地点に着いたばかりの状態。現地バイヤーへの売り込みに失敗したり、為替リスクに見舞われたり、売り込みに成功しても生産体制が整わなかったりと失敗例は枚挙にいとまがない。

 信頼性・安全性、比較価格優位性などで現地業者を上回る力を持つことが越境ECの成功の大前提だ。その上で、どういうことに注意し、どういう対策を取ればいいのか。

 東京商工会議所は越境EC推進のためにまとめた「海外向けインターネット販売 スタートアップブック」の中で五つのポイントについて紹介している。

 第一のポイントが「マーケット調査・商品の選定」。越境ECの想定国を決め、その国でどんな単価でどういったものが売れているか調べる。現地と同じネット環境にして商品名を入力し商品の販売者を特定、商品特性、スタイルなどを確認。競合店舗の販売方法をチェックする。

 第二に販売商品と販売国が決まったら、「どのように売るか」を決める。一般的には(1)モール出店(2)越境EC独自ドメイン店舗(3)転送代行(4)購入代行―の4タイプ。独自ドメインは構築に長時間を要し費用もかかる。転送代用や購入代行は投資規模が少なく回収も容易だが、顧客データやノウハウは蓄積しにくい。考えどころの一つだ。

 モノが売れたら「代金回収・物流問題」も大きい。海外では日本でポピュラーな代引きはほとんど利用されない。クレジットカード取引が普及しているが、高額取引では現金決済と、クレジットの組み合わせをする企業もある。物流面では料金体系をよく吟味する必要がある。

 さらに、ユーザーに商品を理解してもらうための「翻訳」「プロモーション」も重要だ。