殺人容疑のイラク人の男=士林地検提供

写真拡大 (全2枚)

(台北 3日 中央社)台北市内で4月末、高齢の夫婦が殺害された。容疑者のイラク人の男(31)は日本に逃亡したとみられている。台湾と日本は犯罪人引き渡し条約を結んでいない。台湾の刑事警察局(刑事局)は3日、すでに国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)に国際手配を要請するよう日本の警察当局に依頼していることを明らかにした。

刑事局や報道によると、男の妻は台湾人で、殺害されたのは妻の両親。男は日本で英語教師をしていたが、夫の暴力に耐えかねた妻が3月に子連れで台湾に帰国。その後も子どもの養育権などを巡っていさかいが起こっていたという。

男は離婚協議などのため台湾を訪れ4月30日未明に老夫婦を殺害。1歳の息子を連れて同午前8時ごろ飛行機で日本に向かったことが判明している。日本からイラクに渡ったという情報もあり、これについて警察は、いかなる可能性も排除しないとしている。

刑事局によると、台湾はインターポールに加盟していないため、国際手配書の発行は日本の警察当局を通じて要請するのが慣例。今回は、被手配者の所在の特定や身柄の拘束を求める「赤手配書」の発行を要請するという。

(劉建邦、蕭博文、黄麗雲/編集:塚越西穂)