@AUTOCAR

写真拡大 (全4枚)

レンジローバー史上、最高額になるはずだった

ランドローバーは、約3400万円で発売する予定だった「レンジローバーSVクーペ」の計画を中止した。この超豪華な2ドア・モデルは、ロールス・ロイス・カリナンやベントレー・ベンテイガのライバルになるはずだった。

今回の決定は、ランドローバーがリソースの注ぎ先を、次期型ディスカバリー・スポーツや今年中に発表が計画されている新型ディフェンダーなど、量販モデルに変更することを選択したためだ。

5.0ℓスーパーチャージドV8を搭載するSVクーペは、レンジローバー史上最も高価で特別なモデルとして、999台が限定生産されることになっていた。だが、昨年3月のジュネーブ・モーターショーで発表された際に注文を受け付けたものの、結局1台も生産されず納車もされていない。

ランドローバーは声明で次のように述べている。「わたし達は、レンジローバーSVクーペが量産されることはないという、苦渋の決断をお客様にお伝えしなければなりません。代わりにランドローバーはリソースと投資を、世界中に向けた次世代の商品群に集中しています」

「わたし達は電動化に向けた刺激的な計画や、クラフトマンシップの拡大、革新と技術に取り組み、引き続き様々な世界最高峰のSUVを皆様にお届けして参ります」

その影響は、同社のビスポーク部門にも波及する。

専用のクーペボディが必要

この決定はJLRのスペシャル・ヴィークル・オペレーション(SVO)に打撃を与えることになる。レンジローバーSVクーペは、コベントリーにあるSVOのテクニカル・センターで、一から生産される最初のモデルになるはずだった。XEプロジェクト8 SVOが標準モデルのXEのボディをモディファイしたものであるのに対し、SVOはSVクーペのために専用のボディを製作したのだ。

SVクーペは標準モデルのレンジローバーのプラットフォームを僅かに変更し、その上に独自のボディシェルを載せることになっていた。標準のレンジローバーから流用するものはボンネットとテールゲートの下側半分のみだった。

ランドローバーは今回の声明を、「当社のSVO部門は引き続き、高級、高性能、高品質の限界を押し広げる、わくわくするようなクルマの開発を続けていきます。数週間後には新しいFペースSVRの納車も始まり、現在も多くの新型モデルを開発中です」と結んでいる。