行政院のグラス・ヨタカ報道官

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(台北 26日 中央社)来年8月に中部・台中市で開催予定だった「東アジアユースゲームズ」が中国の圧力で中止されることになったのを受け、行政院(内閣)のグラス・ヨタカ報道官は25日、台湾の選手だけでなく、出場を予定していた他の国・地域の選手の権利も損なわれるとした上で、「台湾だけでなく、全世界の問題」と述べ、国際社会に問題の深刻さを訴えた。

グラス報道官は、中国が横暴かつ一方的に台中市の開催権を取り消したことを遺憾とし、強く非難する同院の立場を強調。大会中止を決定した東アジアオリンピック委員会(EAOC)への糾弾と申し立てが急務であると説明し、開催権の取り戻しを目指し、最後の一秒まで努力を続ける姿勢を示した。

一方、蔡英文総統も同日、自身のフェイスブックやインスタグラムに「オリンピックの精神に反するやり方で納得できない。絶対に受け入れられない」とするメッセージを投稿。スポーツ選手は晴れ舞台となる大会があればこそ汗を流し練習を重ねているのに「不条理な政治的干渉によって、国の代表として輝く生涯に一度しかないかもしれないチャンスを剥奪されてしまった」と不満を吐露。「#挺選手」(選手を応援する)「#挺台中」(台中を応援する)などのハッシュタグ(検索用キーワード)を添え、最後まで中止撤回のために尽力する決意を伝えた。

(葉素萍、蕭博陽/編集:塚越西穂)