強い決意を持って鳥栖に加わった金崎。苦境に喘ぐチームの救世主となれるか注目だ。写真:松岡蒼大

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 7月26日、鹿島から鳥栖へ電撃移籍を果たした金崎夢生が入団会見を行ない、真新しいキットに袖を通した。
 
 今季、鹿島で10番を託された金崎はリーグ戦15試合で7得点を奪取。中断明けの直近3試合では17節の柏戦に途中出場したのみだったが、序盤戦はエースに相応しいパフォーマンスを披露していた。

 それだけに7月24日に発表された完全移籍は、多くの人に驚きを与える出来事だった。なぜ金崎は新天地を求めたのか。シーズン途中にクラブを変える決断を下した点について本人は、「新しいチャレンジをしたいという気持ちとサガン鳥栖というチームに惹かれた部分が大きいです」と明かした。

 とりわけ、鳥栖の竹原稔社長やクラブの立ち位置が去就に大きな影響を与えたようだ。「人柄や話し方とかを見ていても、社長の魅力を感じますし、そういうのを含めてサガン鳥栖でプレーしたいなと思いました。Jリーグ(のホームタウンで)でも規模が小さい街ということなので、そういうところからJリーグを盛り上げたい」と語る金崎の目には、九州の地でJ1を戦い続けるクラブが魅力的に映ったという。
 ただ、鳥栖は現在、J2降格圏の17位。J1残留争いの真っ只中にいる。なにしろ今季はリーグ最小の15得点しか奪えておらず、決定力不足に悩まされてきた。直近4試合のリーグ戦で奪ったゴールはわずかにひとつで、前節の仙台戦も0-1で敗戦。同試合でJリーグデビューを果たしたフェルナンド・トーレスが加わったとはいえ、攻撃の問題点は解消されていない。
 
 となると、やはり期待されるのは金崎とF・トーレスのコンビだろう。金崎も元スペイン代表FWとの共闘に意欲を示しており、「素晴らしい選手であることは、僕も含めてみんなも知っていると思います。トーレスをどう活かすかがチームにとっても、彼にとっても一番大事。トーレスを活かせれば、チームはより良くなる」という言葉で連係面の構築をポイントに挙げた。

 自身に懸けられている期待の大きさも理解している。鹿島からやってきた元日本代表のストライカーは鳥栖の窮地を救えるのか。背番号44に決まった金崎の一挙手一投足から目が離せない。