「老人介護」、過去最高の倒産件数もビジネスチャンスは大きい!?
国内倒産件数は、リーマン・ショックが発生した08年度にピークを迎えたが、09年度以降は中小企業金融円滑化法と同法終了後の実質的な効果延長により、16年度まで8年連続で減少した。
17年度は9年ぶりに前年度を上回り潮目が変わってきたものの、増加率は1・6%にとどまっている。そうした倒産減少基調のなか、全業種を見渡しても今まさに倒産ピークを迎えている業界はほぼ見あたらない。どうしてだろうか。
振り返ると00年4月の介護保険法施行をきっかけに、老人福祉事業に新規参入する事業者や新設事業者が相次ぎ、帝国データバンクによると、01年に2万782だった訪問介護・通所介護の施設・事業所数は2006年には4万357にまで激増。
しかし、そのほとんどは専門的なノウハウや実績をもたない零細事業者で、サービス開始に至らないケースも少なくなかった。仮に事業を開始しても、資金が調達できない、利用者に対する信用・知名度を高めることができない。また、近年は人手不足が一因となって事業を断念するケースも相次いだ。
90件の業歴(設立から倒産までの期間)を分析すると、「5年未満」の構成比が28・9%を占めた。17年度の全国倒産(8285件)のうち「5年未満」が9・8%であることからも、いかに生き残りが難しい業界であるかが分かる。
そんな中、大手企業がデジタル技術などを活用し介護施設事業に成長性を見いだすケースも増えている。SOMPOホールディングス(HD)は6月に米国介護事業者のカールトン・シニア・リビング(カリフォルニア州)と提携。介護施設向けのデジタル技術をカールトンの施設で試験運用し、日本の介護事業に応用できるか探るのが狙いだ。
両社は人工知能(AI)を利用した介護施設入居者の転倒防止技術の実証実験を始めており、連携を強める。
SOMPOHDは2015年、ワタミ子会社「ワタミの介護」を買収し、介護事業に参入。全国で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を運営している。
