大迫はセネガル戦で絶好機を逃したが、すでに気持ちを切り替えているようだ。(C)Getty Images

写真拡大 (全2枚)

 変える部分と継続する部分。10日間でグループリーグ3試合を行なう短期決戦のなかで、大迫勇也はそれらを明確に整理していた。日本が手にした勝点は、ここまで1勝1分けで勝点4。第3戦のポーランド戦で勝点1以上を取れば、決勝トーナメント進出が決まる。「やっぱり日本よりも普通に戦えば実力が上の相手(コロンビア、セネガル)に対して、4を取れているってことは素直にプラスに考えるべき」と評価したうえで、切り替える部分についてこう続けた。
 
「セネガル戦では僕自身チャンスもあった。そこでしっかりと決めなければいけないシーンっていうのはあったので、そこは次しっかりと決められるようにするだけと思う。本当短期決戦なので余計なことを考えずに、次、次という風にやるようには心がけている」

 セネガル戦の61分、右サイドの柴崎岳からゴール前にグラウンダーのクロスを空振りし、得点機を逃した。直後こそ天を仰いだが、引きずることなく、プレーを続けた。特に試合中盤からは、下がってパスを受け、正確に落とした。トップ下の香川真司、ボランチの柴崎岳が前を向いた状態でボールを持つシーンを作り出し、そこからサイドへ展開。日本にとって良い時間帯が続いたのは、大迫の動きがあったからこそ。
 また、守備でもセネガル代表のアリウ・シセ監督に「我々が良いプレーできなかったのは15番の選手がいたから。我々のDFに大きなプレッシャーかけ続けた。だから良いプレーできなかった」と言わしめる動きを見せた。
 
「もちろんチャンスは決めなければいけないし、悔しかった場面ですけど、ただチャンスは僕らだけではなく、相手も外しているわけであって、そこでメンタル的に折れることのほうがダメなことだと思っている。(FIFAランクで劣る)僕らはミスすることを承知のうえでチャレンジするしかない。そこはもう続けて、続けて前を向いてやるしかない」
 
 一方で継続するのは、勝利を目指すという部分だ。格上のセネガル戦も西野朗監督の「勝ちに行く」という号令の下、2度リードを奪われながらも、追いついた。
 
「うまくいっていないと思うし、ポーランド自体が。ただ、一流の選手が集まっているチームだから、いつ調子が戻るかも分からない。調子が戻れば良いプレーをするチームだから、本当に油断は許されないし。はい、もうやるだけですね。勝点1を取りに行こうっていって、取れるだけの力が日本にあるかって言われれば、どうかと思うし。もう本当に勝ちに行く覚悟は必要だと思う」
 
 初戦のコロンビア戦では、先発の香川、大迫がゴールを挙げ、金星を手にした。セネガル戦では乾貴士と途中出場の本田圭佑が決め、勝点1を奪取。守っては、先発では最年少で、唯一の国内組、昌子源が存在感を示している。チームの雰囲気には手応えを得ている。
 
「途中から入る選手、最初から入る選手、すごくみんなが良い状態でプレーしていると思うし、距離感もすごく良い。チームの雰囲気的にも良い。ただ次の試合がうまくいくとも限らないし、またポーランドも気持ちを切り替えて臨んでくると思うし、そのなかで僕らも覚悟を持ってやるしかない」
 
 日本では、大迫の代名詞「半端ない」が流行し、試合も高い視聴率を記録している。グループリーグ突破がかかるポーランド戦でも好調を維持する1トップへの期待は大きい。
 
「良いことじゃないですか。サッカーに日本の皆さんが意識してくれているってことは。サッカー選手としてもありがたいことですし、チーム全体としても。僕らは本当に結果を出していくことだけ。それでまた日本が盛り上がればそれでいいと思います」
 
 大会前から「FWは点」、「歴史を塗り替える」と繰り返してきた大迫。これまでの2試合と同様に、その覚悟をプレーで示していく。