Windows 10で仕事用、ゲーム用などに使い分けられる仮想デスクトップ! さらに使いやすくなる背景画像を変える方法

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Windows 10の仮想デスクトップは便利な機能だ。
だが、デスクトップごとに異なる背景画像を表示することができない。

仮想デスクトップごとに背景を変更できれば、区別しやすくなって、もっと使いやすくなるのに……。

そう感じている方がいたら、今回のツールをぜひ試してみてほしい。

●Windows 10の仮想デスクトップの問題点
Windows 10には「仮想デスクトップ」という機能が用意されている。
これは、仮想的なデスクトップを複数作って切り替えられる機能だ。

タスクバーの[タスクビュー]ボタンをクリックし、[新しいデスクトップ]をクリックすれば作成できる。

作った仮想デスクトップは、[タスクビュー]ボタンをクリックすると一覧表示され、クリックすれば切り替えられる。


タスクバーの[タスクビュー]ボタンをクリックし、[新しいデスクトップ]をクリックすれば仮想デスクトップを作成できる。クリックすると切り替わる。


仮想デスクトップは、それぞれのデスクトップに別々のアプリケーションウィンドウを配置できる。
たとえば、
・仮想デスクトップAでは、WordやExcelで仕事をする。
・仮想デスクトップBでは、ゲームを楽しむ。
といった使い分けが可能になる。

ただし、便利なわりには、筆者の周辺で積極的に活用している人はあまりいないように感じる。筆者自身も、活用しているとはいえない状態だ。

1つの原因は、
仮想デスクトップごとに背景画像を変えられないことが挙げられる。

背景画像が異なれば、見ただけで「今はどの仮想デスクトップなのか」がわかる。
しかし、実際には、どの仮想デスクトップの背景も同じなので、自分がどの仮想デスクトップにいるのかがわかりづらく、混乱してしまうのだ。

そこでおすすめしたいのが、今回紹介する「Windows 10 Virtual Desktop Enhancer」というフリーソフトだ。

このツールを使うと、仮想デスクトップごとに背景画像を変更できる。
また、マウス操作で仮想デスクトップを切り替えることもできるようになる。

●「Windows 10 Virtual Desktop Enhancer」の使い方
ツールのインストールは必要ない。
ダウンロードページのZIPファイルをダウンロードし、適当なフォルダで解凍したら、フォルダ内に作成される「virtual-desktop-enhancer.exe」を実行するだけだ。


「Windows 10 Virtual Desktop Enhancer」のダウンロードページ。今回は「Windows.10.Virtual.Desktop.Enhancer.0.11.1.zip」をダウンロードした。


実行すると、タスクトレイに「1」「2」などの番号アイコンが表示される。これが仮想デスクトップの番号になる。初期設定では、この番号をクリックするとタスクビューが表示される。


タスクトレイに仮想デスクトップの番号を表すアイコンが表示される。


また、タスクバー上でマウスのホイールを回転すると、仮想デスクトップが順番に切り替わる。また、次のキーで、番号キーの仮想デスクトップを切り替えることもできる。

[Ctrl]+[Windows]+[1]〜[9]

仮想デスクトップを指定するには、解凍フォルダ内にできる「settings.ini」というテキストファイルを修正する。[Wallpapers]という項目があるので、次のように仮想デスクトップに対応する背景画像ファイルを指定すればいい。

[Wallpapers]
1=C:\Windows\Web\Wallpaper\Theme1\img1.jpg
2=C:\Windows\Web\Wallpaper\Theme1\img2.jpg
3=C:\Windows\Web\Wallpaper\Theme1\img3.jpg


なお、実際の動作を見ると、仮想デスクトップごとに背景画像を設定しているわけではなく、仮想デスクトップを切り替えたとき、背景画像の設定も自動的に切り替えることで、別々の背景画像を表示させているようだ。


「settings.ini」の内容。シンプルなテキストファイルだ。









[Wallpapers]の項目を指定すると、仮想デスクトップごとに別々の背景画像を表示できる。切り替えた直後は画面中央にデスクトップ名が表示され、すぐに消える。


「settings.ini」でほかの項目を編集すれば、ツールの動作を変更することもできる。主な項目は以下のとおりだ。

・TaskbarScrollSwitching
タスクバー上でのマウスウスホイールの回転で、仮想デスクトップを切り替えるかどうかの設定。1:有効 0:無効

・DesktopWrapping
最後の仮想デスクトップから次(右)の仮想デスクトップに切り替える操作をしたとき、最初の仮想デスクトップに戻るかどうかの設定。1:有効 0:無効

・DefaultDesktop
最初に有効になる仮想デスクトップ。番号で指定する。

なお、[Alt]+[半角/ 全角]キーで日本語入力システムをオン/オフしている場合は、ツールの設定によって、同じキーに割り付けられる機能がタスクビューの表示になってしまう点には注意したい。その場合は、以下の行をセミコロン(;)でコメントアウトするとよい。

; OpenDesktopManager=LAlt, SC029

「settings.ini」を書き換えた場合は、タスクトレイにあるツールのアイコンを右クリックし、メニューで[Reload Settings]を選択すると、変更後の設定でツールが再起動する。


仮想デスクトップの番号を記したアイコンを右クリックしてメニューの[Reload Settings]を選択すると、変更後の設定でツールが再起動する。


●気に入ったらスタートアップにショートカットアイコンを登録
「Windows 10 Virtual Desktop Enhancer」が気に入ったら、Windows 10の起動時に自動的に起動すると便利だ。
ただし、このツールにはWindows起動時に自動起動するような設定は用意されていないので、手動で設定する必要がある。

具体的には、以下のフォルダに「virtual-desktop-enhancer.exe」のショートカットアイコンを作成するだけだ。

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup

上記フォルダは隠しフォルダになっているので、エクスプローラの[表示]タブで[隠しファイル]をチェックしたうえで、操作しよう。

エクスプローラを2つ起動し、1つには「virtual-desktop-enhancer.exe」、片方には上記フォルダを表示する。そして、「virtual-desktop-enhancer.exe」を上記フォルダまで、右ボタンを押したままドラッグ&ドロップする。ドロップ時に表示されたメニューで[ショートカットをここに作成]を選択すれば、登録完了だ。

Windows 10 Virtual Desktop Enhancer ダウンロードページ 著作権者:Sergio Dias 氏


井上健語(フリーランスライター)