1月26日の記者会見で頭を下げるコインチェックの和田晃一良社長(左)ら

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 仮想通貨への信頼が大きく揺らいでいる。業界大手のコインチェック(東京都渋谷区)から約580億円相当の仮想通貨「NEM」(ネム)が流出してから1カ月余り経過したが、原因究明には程遠く、約26万人の被害者への補償時期も明らかになっていない。早急な信頼回復に向けて再発防止の取り組みが求められている。

 仮想通貨業界では新たに一般社団法人の自主規制団体を設立する方向で調整が進められている。資金決済法の認定を受けられる団体の設立に向けて、関係者が合意する見通しだ。

 新団体の会長には日本仮想通貨事業者協会(JCBA、東京都千代田区)会長を務めるマネーパートナーズの奥山泰全社長、副会長のうち一人は日本ブロックチェーン協会(JBA、東京都港区)代表理事を務めるビットフライヤー(東京都港区)の加納裕三社長の就任で調整中だ。

 設立時に金融庁に登録済みの仮想通貨交換業者16社が参加する計画で、コインチェックを含む登録申請中のみなし仮想通貨交換業者16社は別区分で設立後に会員募集する方向。

 金融庁は2017年4月施行の改正資金決済法で仮想通貨交換業者に登録制を導入したほか、利用者保護の観点から顧客資産を自己資産と区分する分別管理の義務付けやマネーロンダリング(資金洗浄)防止対策などを規定した。だが、麻生太郎金融担当相は「何でもかんでも規制すればいいというものだとも思わない」としており、詳細なルールは業界が自主的に定めることを想定している。

 新団体を設立しても課題は山積みだ。登録済みの仮想通貨交換業者、ビットポイントジャパン(東京都港区)の小田玄紀社長は「決算書、会員数、取引量などは開示すべきだ。広告関係も早急に詰める必要がある」と指摘する。決算書が開示されれば、仮想通貨を分別管理しているかが判断できる。コインチェックは顧客拡大を狙って積極的なテレビCMを展開していたこともあり、過剰な広告への自主規制も求められる。

 コインチェックからの仮想通貨流出問題を受け、金融庁も活発に動いている。2月1日には仮想通貨交換業者16社とコインチェックを除くみなし業者15社に対し、システムリスク管理態勢に関する報告徴求命令を発出した。これを受けて提出された業務などに関する報告書類の内容を審査・分析し、みなし業者に対して順次立ち入り検査に入っている。利用者保護の観点から、システムリスク管理を含め、実務的な内部管理体制が構築できているかが重要との認識だ。