サイドハーフで先発した阿部は攻守両面の課題を述べた。写真:徳原隆元

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【ゼロックス杯】川崎2-3C大阪/2月10日/埼玉
 
 昨季のJ1王者である川崎が、10日のゼロックス・スーパーカップでC大阪に敗れた。スコアは2-3。得意とする点の取り合いで屈したのだ。
 
「試合勘に差があったのと、単純にセレッソの力が強いと感じた」。鬼木達監督がそう振り返ったとおり、川崎の動きは重かった。最終ラインや中盤でのパスはつながるが、崩しの局面に入ると途端にトーンダウンしてしまう。鮮やかな連係で相手を翻弄する本来のサッカーが、まるでできていなかった。
 
 もっとも、攻撃だけでなく、3失点した守備にも課題は見える。「取られ方が悪かった」。そう明かすのは、71分まで出場した阿部浩之だ。
 
「(ボールの)取られ方が悪かったし、鬼さん(鬼木監督)も言っていたように”戻る意識”も足りなかったと思う。ちょっと攻め急いでいたところもあった。(攻撃の)スピードが上がらないから余計に相手の出足が鋭く感じてしまった」
 
 嫌なボールの奪われ方をしてしまい、守備のバランスが崩れたところを突かれる。この負のスパイラルから抜け出せなかったのである。

 昨季のJ1を制した川崎は、堅実な守備も売りのひとつだったはずだ。1試合で3失点したのは、ACLを含むシーズンの全53試合を振り返っても4試合だけ。爆発的な攻撃力がフォーカスされがちだが、鬼木監督が浸透させた安定した守備が、クラブ初のタイトルをもたらした側面もある。
 
 ゼロックス杯で、そうした守備ができなかったのは、しばらく公式戦から遠ざかったためだろう。局面の激しさや寄せ、サポートの距離といった肌感覚が鈍ってしまったということだ。

 いずれにせよ、攻守両面において川崎は詰めの甘さを覗かせている。選手個々のコンディションを上げつつ、昨季のパフォーマンスを思い出さなくてはならない。

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