「精密なパスが完全に消えていた」 韓国人記者がハリルJ“日韓戦惨敗”の要因を指摘

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「スポーツソウル」紙記者を直撃 「韓国代表の出来が良かったわけではない」

 韓国代表が16日のE-1選手権最終戦の日本戦に4-1で快勝し、2大会連続の優勝を果たした。

 この試合を取材した韓国大手スポーツ紙「スポーツソウル」のキム・ヒョンギ記者は、まずは「今大会の日本代表選手で、ワールドカップ(W杯)メンバーに入る選手は2〜3人しかいないでしょう。今回の日本代表が本来の姿とは思っていません」と語った。

 さらにキム・ヒョンギ記者は、「韓国代表メンバーは、今回出場した選手の中から半分以上はW杯に出場するでしょう。ただ、韓国代表の出来が良かったのかというと、そういうわけでもありません。いきなりPKから失点し、そこから流れが日本に傾く可能性がありましたから」と語り、決してこの日の韓国が本来のサッカーができていたわけではないとの認識を示した。

 では、3試合を通して、日本の印象はどう映ったのだろうか。

 キム・ヒョンギ記者は少し困った表情を浮かべ、「今回の日本代表は北朝鮮と中国に勝利はしましたが、北朝鮮との試合に関しては敗れてもおかしくない内容でした。中国との試合でも力の差を見せつけたというにはほど遠いレベルに見えました」と話した。

 さらに彼は「日本は狭いスペースに精密なパスを通して、攻撃の形を作るのが特徴なのに、それが完全に消えてしまっていた」と言い、日本の怖さがまったく見られなかったと試合を振り返った。

戦力を見れば「韓国が優勝して当然の大会」

 もっとも韓国にとってこの大会は、戦力を客観的に見ても絶対に優勝しなければならない試合だったという。

「日本は若い選手が主体のメンバーだったので、冷静に他国との戦力を比較しても、韓国が優勝して当然の大会。結果を残せたことは良かったでしょう」

 韓国代表はW杯アジア最終予選で苦戦を強いられ、シン・テヨン監督が就任してからの10月の親善試合ではロシアに2-4、モロッコに1-3で敗れて批判に晒された。だが、11月のコロンビア戦に2-1で勝利すると、セルビアには1-1で引き分け。そして今回のE-1選手権では国内組主体のチームで、ライバルの日本に圧勝してタイトルを手にした。

 韓国代表への評価は日に日に高まっている。W杯へ向けて着実に前進している韓国に対し、バヒド・ハリルホジッチ監督への批判が噴出している日本。ロシアW杯へ向けた両国の準備状況は、これからどのように変わっていくのか、気が気でならない。

【了】

金 明碰●文 text by Myung-wook Kim

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images