日々忙しく働くビジネスパーソンにとって、健康維持は必要不可欠ですが、体のことを気にする人から注目を集めているのが「トクホ」や「機能性表示食品」と呼ばれる食品、飲料です。サントリー食品インターナショナルのトクホ飲料に関する調査「健康と飲料レポート」によると「健康のために飲んでいる」人が全体の約7割。また、飲んでいる人の約9割が、飲用をきっかけに食事や運動など生活改善を試みようとしていることが分かりました。存在感を増すトクホと機能性表示食品ですが両者の違いはどのようなものでしょうか。同社の金井映実さんに聞きました。

「丸型マーク」で知られるトクホ

 そもそも、トクホと機能性表示食品はそれぞれ、どのような食品を指すのでしょうか。金井さんによると、トクホは「特定保健用食品」の略で、健康の維持と増進に役立つ旨の表示を消費者庁によって許可されている食品のことです。パッケージに付けられる「消費者庁許可」と明記された丸型のマークで知られています。

「食品には、生命を維持するための『栄養』と、おいしく楽しむための『味覚』、そして健康を維持するための『体温調整』という3つの機能がありますが、トクホはこのうち、体温調節に関わる機能を助けるもの。健康の維持、増進に役立つ機能性を表示することができる食品で、『脂肪の吸収を抑える』『糖の吸収をおだやかにする』などとパッケージに効能を表示している点が特徴です」(金井さん)

 トクホの効果は、最終製品による人間での試験を実施し、科学的根拠が証明されていることが必須条件。有効性や機能性、安全性が評価されないものは、消費者庁から表示許可が下りません。

 一方、機能性表示食品は国の審査がなく、企業や団体など事業者の責任で消費者庁に届け出るもの。パッケージには「機能性表示食品」と明記されます。「機能性表示食品は、最終製品による人間での試験、または文献や論文などの研究結果を引用することで科学的に根拠を示す必要があります」。

 トクホと機能性表示食品を見分けるポイントは、丸型の消費者庁認可マークがあるかないかで一目瞭然ですが、トクホは同庁から許可された許可表示(ヘルスクレーム)以外は記載してはいけないと厳しく管理されているため、申請や届け出た内容の情報公開が義務付けられていないのに対し、機能性表示食品は、記載に比較的自由度があるため、事業者による情報公開が必須です。

トクホを摂取するタイミングは?

 ところで現在、トクホとして認可されている飲料は緑茶やウーロン茶、コーラ、コーヒーなど多岐にわたります。これらを飲むベストなタイミングはあるのでしょうか。

「トクホはその効果や機能によって『食事中に飲む』ものと『いつ飲んでもよい』ものの2種類に分かれます。食事中に飲んだ方がよいものを休憩中に飲むのはもったいないので、ぜひ最適なタイミングで取り入れてみてください」

 まず「体脂肪を減らす」効果のあるトクホ製品は、すでに体についてしまった体脂肪に働きかける効果があるため、食事中だけでなく、仕事中や運動時などさまざまなシーンで飲むことができます。「血圧が高めの方に」向けた製品も同様です。

 一方「体に脂肪がつきにくい」機能を持つ製品は、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させ、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにするため、食事と一緒に飲むのがオススメです。

■サントリー健康飲料NAVI
http://www.suntory.co.jp/softdrink/kenkounavi/

(オトナンサー編集部)