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●「LINE」アプリのトークで使えるカメラ機能が多彩に

LINEは6月15日、事業戦略発表会「LINE CONFERENCE 2017」を開催し、今後の「LINE」アプリに関するアップデートや関連サービスについての発表を行った。今回の発表では”5年後を見据えた事業戦略”として、同社が提供する多くのサービスをLINEアプリに統合し、LINEのサービス上でコンテンツや金銭を循環させる構想が示された。LINEアプリのさらなるポータル化が進みそうだ。

○LINEのトーク内で自撮りエフェクトや仲間向けライブ配信が可能に

まず発表されたのは、「LINE」アプリのカメラ機能に関するリニューアルだ。同社が提供する自撮りアプリ「B612」、また同社が出資している自撮りアプリ「SNOW」の好調を挙げ、LINEのトークルームから起動するカメラについても顔認識によるエフェクト、セルフタイマーなどの機能を盛り込んでいく。メッセージを交わしながら自撮り画像を送り、楽しいフィルターで盛り上がることが可能となる。

静止画だけでなく、ライブ動画もトークルームで楽しめるようになる。トークルーム内の「友だち」に限定してライブ動画を配信できる「チャットライブ」機能は、親しい友人同士で遊んでいる様子を別の場所にいる友人に中継するなどして楽しむことができる。これらのアップデートは2017年夏を予定している。

さらに2017年内には、トークルームのメニューをカスタマイズできる「チャットアプリプラットフォーム」がサポートされるという。友だちとのイベント日程の共有や、ゲームを一緒に楽しむといったことが可能となる。

静止画をつなげてBGMをつけてムービーを作成できる「スライドショー」も、時期は未定ながら予定しているという。女子中高生は誕生日にオリジナルムービーを送り合う習慣があるため、歓迎されることは間違いないだろう。

また、タイムラインには、動画を簡単に投稿したり、ライブ動画を配信したりできる「ストーリー」機能をサポート予定だという。Instagramで人気の「ストーリー」機能のように、一定の時間で消える「エフェメラル」系なのか、詳細はまだ明らかになっていない。

●「ポータル」タブと「ウォレット」タブが登場

「LINE」アプリの画面下部にある「タブ」も年内に変わる。「ニュース」タブの登場が記憶に新しいが、これが「ポータル」タブへと変化し、天気や占い、電車の運行情報などが参照できるようになる。同社が提供する「LINEマンガ」、「LINE MUSIC」、「LINE LIVE」への遷移も簡単になる。

そして「ウォレット」タブも年内に登場する。「LINE Pay」での送金、決済、残高、ポイント管理がウォレットタブからすぐ参照できるようになる。金銭をやり取りするのは親しい人同士が多いという考えから、LINEのアプリ内で完結する方向性を目指しているとのこと。LINE Payに関しては、2017年夏から本人確認不要で送金できることも発表された。

○動画サービス「LINE LIVE」も「LINE」アプリで楽しめる

10代を中心とした若年層に人気の「LINE LIVE」は、一般ユーザーでも動画を配信し、視聴者がコメントやハート、ギフトアイテムを送れる動画配信サービスだ。LINE LIVEでは、6月14日に配信者が獲得できるLINEポイントを3倍以上にする取り組みを発表したばかり。カンファレンスでは、視聴者、配信者ともに女性ユーザーが多いと発表され、若年層に高い支持を得ていることが、同サービスの強みであると強調された。

この「LINE LIVE」も「LINE」アプリ内で視聴、およびコメントができるようになる。今までもLINEアプリから視聴はできたが、ハートやコメントを送るには「LINE LIVE」アプリを利用する必要があった。年内には、LINEのトークルームで配信通知を受け取った視聴者は、そのままコメントやハートを送ることができるようになる。

●「LINE」アプリから買い物も!「LINEショッピング」

「LINE」は本格的にショッピングサービスにも参入する。カンファレンス当日の6月15日にサービス開始となった「LINEショッピング」は、LINEアプリの「その他」タブからアクセスできる。取り扱い商品はファッション、雑貨、コスメ、家電など多岐にわたり、100以上の企業が参入している。

実際の買い物はLINEアプリ内ではなく、販売元のサイトに移行して決済までを行うが、「LINEショッピング」を経由することで購入金額の最大20%のLINEポイントを受け取ることができる。LINEポイントはLINEコインに交換することができるため、例えばLINEショッピングで貯まったLINEポイントでLINEスタンプを購入する、といった使い方もあり得るだろう。「有料スタンプは欲しいが課金するほどではない」というユーザーは、今後LINEショッピング経由でショッピングするかもしれない。また、LINEポイントは1ポイント1円になる「LINE Pay」としても利用可能だ。

○「LINE」アプリに機能を集約してポータル化へ

「LINE」を愛用している若年層に限らず、一般的なスマートフォンユーザーは、スマートフォンのストレージ容量が足りず、新たにアプリをインストールすることが少なくなっている印象だ。その状況から鑑みて、各アプリに分散していた機能を「LINE」アプリに集約していくというLINEの方向性は、ユーザーの指示を得られることだろう。

LINEのコアユーザーである中高生の視点で見ると、自撮りへのエフェクトはもはや当たり前で、カメラ機能のアップデートは期待されるところ。トークルーム内のライブ配信もヘビーに使うことが想定される。

「LINE LIVE」はニッポン放送を始めとして企業も積極的に参加しているライブ配信サービスであり、「LINE」アプリでの交流が可能になることにより、ユーザーにとっては配信者をさらに身近に感じられるようになりそうだ。