「再配達」防止の切り札はやはり「宅配ボックス」か? 改善対策の現状と課題とは

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スマホの普及もあり、ネット通販を利用する人の拡大で宅配便の配達量が大幅に増えた結果、宅配業者でのドライバー不足が社会問題になっている。
なかでも、配達業務を悪化させているのが、「再配達」の負担だ。

これまでも、宅配での負担軽減の方法として、配達通知サービスやコンビニでの受け取り、宅配ロッカーなどを紹介してきたが、それらの対応だけでは、まだ十分と言えないだろう。

宅配業者では、宅配便の送料値上げが検討される中、利用者はどう考え、どうすればいいのだろうか。

●ネット通販は手軽になったが、実は受け取りは手間
現在のネット通販は、スマホ片手にいつでもどこででも買い物ができる。
この手軽さもあり、ついつい欲しいモノが見つかった際に、その都度、ポチっと購入ボタンをタップしてしまう、という人も多いだろう。

欲しい商品を見つけたら即購入できるのが通販のメリットだからだ。

しかし、購入の手軽さに反して、品物の受け取りは、配達される日時に合わせて在宅していなければならない。この待機が、意外と面倒、手間だと感じる人が多い。

そこで、用事が入ると、つい「受け取れなかったら再配達してもらえばいいや」と、考えてしまう。

これが、今の、「再配達」問題を引き起こしている理由だ。


●宅配便の受け取り方はさまざま
そもそも宅配便の荷物を受け取る方法は、いくつかの方法がある。
・在宅できる日時を指定して受け取る
・マンションの宅配ボックスに届けてもらう
・近所のコンビニを指定して届けてもらい、コンビニで受け取る
・最寄りの宅配ロッカーに届けてもらい、受け取る
・配達予定をメール通知で受けて、在宅して受け取る
など、意外に、多様な方法で受け取りが可能だ。

ただし、急な用事で在宅が難しくなったり、マンションの宅配ボックスに空きがなかったりすれば、再配達になってしまう。
また、宅配ロッカーが会社や自宅の近くには設置されてないケースも、まだ多い。

さらに、コンビニ受け取りの場合も、利用者が増えすぎれば、コンビニでも対応しきれなくなる可能性がある。

●自宅に「宅配ボックス」を設置するという改善方法が注目されている
今、再配達を減らす方法として、自宅に宅配ボックスを設置することが、注目されている。

自宅に宅配ボックスがあれば、いつでも確実に荷物を受け取ることが可能だからだ。

この方法では、パナソニックが家庭用「宅配ボックス」を発売している。
電源は不要で、施錠と押印まで可能という、なかなか優れた宅配ボックスだ。

しかし、この方法にも、弱点はある。
一つは、設置コストで、決して安価ではないので少々ハードルは高い。

さらに自宅が戸建て以外の場合は、「住宅向けの宅配ボックス」の設置が必要となり、自分だけで勝手に設置ができないということだ。

そんなこともあり、最近では宅配ボックスの設置が物件探しやチェックのポイントにもなってきているそうだ。

●「再配達」を減らす方法と対策とは?
部屋や住宅に「宅配ボックス」が設置されてない場合、
どうすれば「再配達」を減らせるのだろうか?

・再配達は追加の配送料金を徴収する
・初回で受け取ればポイントを付加する
・駅や商業施設の宅配ロッカーを利用する

追加料金制は、
追加の料金を支払うのが嫌な利用者は、初回の配達予定の日時に配送先に在宅することを促せる効果が期待できる。

ポイントの付加では、
楽天が、初回の配達で受け取った場合、楽天ポイントが付与されるサービスを4月25日から9月末まで期間限定で始めると発表している。

駅や商業施設への宅配ロッカーの設置に関しては、4月から国が補助金を出す制度がスタートしている。これをうけて、ヤマト運輸では、平成34年までに宅配ロッカーを5,000カ所に設置する計画を前倒しして実施するとしている。

すくなくとも、駅や商業施設などの宅配ロッカーを利用して外出先で荷物を受け取れるケースは増えそうだ。

しかし、できれば、戸建てや集合住宅への設置にも補助金が与えられ、不在でも自宅の宅配ボックスで受け取れる社会になって欲しいところではある。