学生の窓口編集部

写真拡大


日本で就職活動といえば、大学生が一斉に行うのが一般的です。しかし、アメリカではそのような新卒の大学生を一斉採用するといったことがありません。実は日本よりもずっと学歴が重視され、即戦力が求められるのです。今回は、アメリカ就活についてご紹介します。

●フレッシャーズのシーズンはない! 雇用は部署単位で行うのが基本

アメリカには日本のように大学の新卒者を各企業が一斉に募集するという文化はありません。人手が足りなくなったらその都度募集をかけるのが基本。春がフレッシャーズのシーズンということがなく、空きがあれば通年募集しているというスタイルです。

また、日本と大きく違うのは「人事部」で面接して雇用者を決めるのではなく、基本各部署で募集をかけ、部署長の権限で人を雇用します。アメリカの会社の人事部というのは、給与の支払いであるとか、福利厚生などをマネジメントするところであって、日本のように会社に勤める人を決める部署ではありません。

●基本は即戦力募集! インターンシップの求人サイトも盛況

新卒者を雇用する文化がなく、あくまでも即戦力の人材を雇用するのがアメリカの会社です。どのような経歴を積んでいるかが非常に重視されるので、これから経験を積みますといった場合はまず雇用されません。

ですので、アメリカの大学生はインターンシップ(職業訓練)制度に積極的に参加します。日本でも最近インターンシップが盛んになってきていますが、アメリカの場合は即戦力でないと雇用してもらえないという現実がありますので、より必死になるというわけです。

実際、アメリカでは多種多様なインターンシップの求人があります。求職者と企業を結び付けるための『Looksharp』『WayUp』『LinkedIn』といったサイトがあり、多くの大学生がこれらに登録して、エントリーレベルの仕事、インターンシップの求人を探しています。

学歴・成績重視は日本以上! 大企業では要求される水準が高い


日本の就活について「学歴偏重」なんていわれることがありますが、実力主義なアメリカではその傾向はさらに強いといわれます。日本のような「履歴書に大学名を書かない」といったことはありません。大学・専攻科目・成績は重要視されるのです。

そのため、アメリカでも特に優秀とされるアイビー・リーグの大学を卒業した人は就職に非常に有利です。成績に関してもGPA(Grade Point Average)の得点が重視されます。最近、日本でもGPAを重視する動きが出ていますが、アメリカの場合これが徹底されていて、大企業の場合「GPA3.0以上」「GPA3.5以上」といった条件が明示されていることも普通で、それに達していない人は応募することもできません。

また、アメリカの就職活動では「推薦状」(reference)を持っていることが重要です。推薦状は、例えば担当科目の教授など社会的信用のある人に書いてもらうのですが、採用担当者から推薦状の提出を求められることが一般的となっています。推薦状がないと就職できないということもありますし、推薦状は転職の際にも必要になるのです。

他にもアメリカ就活は基本オンラインで行うという特徴があります。国土の広いアメリカを東奔西走していたら交通費がいくらあっても足りませんからね。履歴書や推薦状などはメールで送るなどし、また面接も電話やSkypeで行うのが基本です。

アメリカ就活は日本と比べるとずいぶん違っています。新卒者の一斉雇用がなく、即戦力募集、また国土の広いアメリカならではの就活事情ではないでしょうか。

<参考>
『Looksharp』
https://www.looksharp.com/
『WayUp』
https://www.wayup.com/
『LinkedIn』
https://www.linkedin.com/

(高橋モータース@dcp)