マーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】

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米メディアがイチロー球宴出場へ“推薦文”!? 「これ以上最適な年ない」

 今季、にわかに盛り上がりを見せているマーリンズイチロー外野手のオールスター選出待望論。これに関して米メディアがイチローを今夏の球宴に推す理由について特集している。米地元紙「アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション(AJC)」電子版が「“ヒット・キング”であろうがなかろうが、イチローは今年オールスターゲームの一員にふさわしい」との見出しで報じている。

 イチローは今季限られた出番の中で結果を残し続け、ここまで打率.357、出塁率.418と好成績を収めている。とりわけ6月は打率.425、出塁率.489と絶好調で、この期間に日米通算4257安打に到達。ピート・ローズの持つメジャー歴代最多安打(4256本)を一気に抜き去った。

 日米合算での記録については賛否が沸き起こり、イチロー自身も達成直後の会見で「僕としては日米合わせた数字ということで、どうしたってケチがつくことは分かっているし、ここに目標を設定していなかった」と語ったが、多くのファン、関係者がその偉業に賛辞を贈った。

 今季はすでにメジャー史上38人目の通算500盗塁も達成。メジャー30人目の3000安打にも残り「20」と迫っている。そんなベテラン外野手については、ローズ超え前後から今夏のオールスター出場を推す声が高まり、地元テレビ局「FOXスポーツ」も「オールスターへ向けてイチローに投票しよう」と特集を組んでいた。

イチローを今夏の球宴に推す理由は…

 そして今回、「AJC」電子版はイチローのオールスター選出について「議論の余地はない」と主張。「もし、ファンが投票しないのなら選手たちがするべきだ。もし、選手たちが投票しないのなら、ナショナル・リーグの監督が推薦すべきだ。もし、監督が駄目なら、誰かがファンのために(球宴開催地の)ペトコ・パークに彼を密輸するべきだ(ひっそりと持ち込むべきだ)」と伝えている。

 イチローを推す理由について同紙は、「そのプレー姿は27歳当時のように見える」こと、イチローをオールスターに出場させるとしたら「これ以上、最適な年はない」ということなどを挙げ、4257安打が日米合算の数字だからといって「イチローの偉業を軽視する理由にはならない」ともレポートしている。

 また、イチローが以前、球宴に出場していた当時にア・リーグのロッカールームでチームを鼓舞していたことにも触れ、「デビッド・オルティスはかつてイチローをア・リーグ13連勝の要因として挙げた」、「今度はナ・リーグがこの伝統と幸運を経験する番だ」との主張を展開。「メジャーリーグは数十億ドル規模のエンターテイメント産業だ。だから、オールスターでも、最もファンを魅了できる選手を選ぶべきだ」と声高に訴えかけている。

 今回の特集は“推薦文”と言っていいほどの内容で、イチローのオールスター出場を強烈に熱望している。