マーリンズ・イチロー【写真:田口有史】

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ここまで打率3割キープ、打球の勢いは「昨年の後半戦以上」

 今季ここまで打率.326と限られた出番の中で結果を残しているマーリンズイチロー外野手について、米メディアがキャリア最大の不振に陥った昨季終盤とは見違える姿と称賛している。

 イチローは18日(日本時間19日)の敵地フィリーズ戦で8回にロハスの代打で登場。相手3番手ネリスの4球目、93マイル(約150キロ)の速球をセンター方向へ弾き返した。二塁手のヘルナンデスが何とか止めたが一塁へは送球できず、内野安打に。2試合連続のヒットでメジャー通算2950安打とし、3000安打へも残り「50」となった。

 ここまで10試合連続ベンチスタートと出番は少ないものの、金字塔に向けて前進しているイチロー。地元マイアミで試合を中継する「FOXスポーツ・フロリダ」の実況も「3000本まで50本です。マーリンズの彼に対するこれまでの起用法ですが、彼はフレッシュです。バットから弾き出される打球の勢いは昨年の後半戦以上のものがありますね」と昨季からの復調しているベテランを称賛した。

ここまでは3000安打にわずかに届かないペースも…

 2015年はチーム最多の153試合に出場。怪我なくシーズンを終えたものの、9月は63打数9安打で打率.143、10月は9打数1安打で打率.111と低迷。シーズン打率もキャリア最低の.229に終わっていた。それでもメジャー16年目の今季は4月に打率.333、5月は19日時点で打率.313といずれも3割をキープ。出塁率も昨季の.282に対して、今年はここまで.404としている。

 メジャー163勝のマーリンズOBの解説者、アル・ライター氏もその打撃を高く評価。前日の試合では3000本に「今年は到達できない」と予想していたが、2試合連続の代打ヒットに「序盤戦での打撃を見ていますと、3000安打に到達する可能性はとても高いと言えるでしょう。簡単なことではありませんよ。ベテランがベンチに座って、役割をこなす。そして、いまだに強烈なライナーを打てるのです」と手の平を返して称賛した。

 地元メディアから韋駄天ぶりも評価される42歳。出場機会が限られているここまでは今季中の3000安打達成にわずかに届かないシーズン60本ペース。それでもイチローは金字塔へ向けて着実に安打を積み重ねている。