「フランス代表で一度もプレーしたことがない13人の有力選手」

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この夏、フランスで開催されるEURO2016。

地元で覇権を狙うフランス代表には才能溢れる選手がひしめいている。特に中盤の人材には事欠かない。ディディエ・デシャン代表監督が、どんなメンバーを選ぶのかにも注目が集まる。

ここでは、『Squawka』が伝えていた「代表経験のない13人の有力フランス人」について紹介する。年齢的にまだこれから…という顔ぶれも結構いるのだが。

MF ジャンネッリ・インブラ/23歳/ストーク

この冬のデッドラインデーにストーク入りした若きMFインブラは、プレミアリーグの『最新作』だ。

彼はイングランドへの移籍がデシャン監督の気を引くことを望んでいるだろうし、割って入るための時間はある。23歳のインブラは、U-20フランス代表では4試合、U-21代表では7試合に出場している。

(フランス代表に招集されないため)出生地であるベルギーの代表としてプレーしたいという希望を表明したことで、フランスとしてはすぐにでも呼ばなくてはならないかもしれない。

MF アドリアン・ラビオ/20歳/PSG

プロ契約を結んでから、PSGで4年を過ごしているラビオ。プレータイムは得てきたが、クラブレベルでも代表レベルでも同じ苦戦を味わっている。

主に深い位置でのプレーメイカーとしてプレーする彼だが、(PSGもフランス代表も)MFには素晴らしいタレントがひしめいている。その競争は熾烈で、彼はチャンスを待たなければならないかもしれない。

ただまだ20歳であり、時間の問題だろう。招集されるまでに、フランス王者のもとで成長し続けられたならば。とはいえ、ユースレベルではフランスの各世代代表を経験。U-21でも13試合でプレーしている。

LB ジョルダン・アマヴィ/22歳/アストン・ヴィラ

今季ニースからやって来たアマヴィ。今季最下位に低迷するアストン・ヴィラのなかで、彼のプレーは数少ないポジティブなものであった。

この左サイドバックはエネルギーにあふれ、前方へ進み、サイドからチャンスを作り出す能力を有している。

ただ、残念なことにフランスU-21代表の試合でヒザに重傷を負ってしまった。今季は絶望と見られている。

DF エメリク・ラポルト/21歳/アスレティック・ビルバオ

彼はヨーロッパで最も才能ある若手DFのひとりだ。フランス代表に招かれるのは、時間の問題であり、ラファエル・ヴァラヌと素晴らしい協力関係を築けるかもしれない。

アスレティック・ビルバオでは、CBとしてファーストチョイスとしての地位を確立。U-21レベルではフランス代表としてプレーしてきた。ボール扱いにも長けるほか、統率力も併せ持ち、多くのビッグクラブが彼に興味を抱いている。

(なお、彼はこのまま呼ばれないなら、スペイン代表への鞍替えも考慮すると表明している)

DF ロイク・ペラン/30歳/サンテティエンヌ

30歳になったぺランは最近、フランス代表に招集はされている。代表チームにおいて晩成といえるかもしれないが、まだ出場自体はない。初招集されたのは、2014年だったのだが…。

サンテティエンヌにキャリアを捧げてきたこの強靭なCBは、あの青いユニフォームに袖を通すことを熱望しているはずだ。

Loïc Perrin(ロイク・ペラン)について、Qoly独自情報

1985年生まれの30歳。地元サンテティエンヌの生まれで、文字通りの生え抜き選手。181cm80kg。

もともとはサイドハーフなどプレーするなど攻撃力が売りだったが、その後サイドバックで使われることが多くなってから自らプレースタイルを大きく変えた。

無尽蔵の運動量で90分走りまわり、果敢なタックルでファイトも辞さない。足元の技術も侮れないのは昔取った杵柄として、攻守両面において活躍できる選手となったのだ。

2010-11シーズン、クリストフ・ガルティエ監督のもとでセンターハーフに再挑戦。さらに、2012-13シーズンはなんとセンターバックにコンバートされ、あたかもそこが本職のような素晴らしい活躍を見せている。

GK アルフォンス・アレオラ/23歳/ビジャレアル(PSGからローン)

荒削りながら才能に恵まれた若きGKアレオラだが、ウーゴ・ロリスとステーヴ・マンダンダに挑戦するには、まだまだ成長が必要だ。

PSGの下部組織出身の彼はこれまでもバスティアなど多くのレンタルを経験、素晴らしい成長を見せている。

その彼がまずプライオリティを置くべきなのは、フランス王者に戻り(そこで地位を築く)ことで、それから代表チームのことを考えることができる(なお、昨年10月には初めてフル代表にも招集されたが、まだ出場はなし)。

Alphonse Areola(アルフォンス・アレオラ)についての、Qoly独自情報

1993年生まれの23歳、191cm91kg。

フランスU-16〜21代表歴があり、ポテンシャルはピカイチと非常に期待されているGKである。飛び出しがやや弱気で守備範囲は広くはないものの、キャッチングでのミスが少なく、キックが上手い。

名門クレールフォンテーヌ出身で、2007年にPSGに貸し出されユースリーグで活躍。一旦学校に戻るが、卒業後は引き続いてPSGでのプレーを選んだ。2013-14シーズンはランスにレンタル移籍し守護神として活躍を見せ、クラブの1部昇格に貢献した。

なお、生まれはパリだが、フィリピンにもルーツを持つ。

MF フランシス・コクラン/24歳/アーセナル

フランス代表があまりの多くのタレントを抱えているため、そこに割って入ることができない数多くの優秀なMFのうちのひとりであるコクラン。

アーセナルでブレイクし、プレミアリーグでも最高の守備的MFのひとりとしての地位を確立。それでも、代表入りするにはポール・ポグバ、ラス・ディアラ、モルガン・シュナイデルリン、ヨアン・キャバイらと戦わなくてはならない。

(代表入りは)可能だろうが、この2年間見せてきたような印象的なプレーを維持し続ける必要があるはず。

MF エンゴロ・カンテ/24歳/レスター

コクラン同様の状況にあるカンテ。彼もまたフランス代表にデビューするには、(他の選手が)怪我離脱することを当てにしなければならないだろう。

まだ24歳であり、このところの驚異的な調子を維持すれば、間違いなくチャンスはやってくるはずだ。驚くべきことに、彼はユース年代でもいかなる代表チームでプレーした経験がない。

DF サミュエル・ウンティティ/22歳/リヨン

フランス期待の若手のひとりであるウンティティは、これまでフランスの各世代代表でプレーしてきた。

彼はリヨンで素晴らしい成長を見せており、フランス代表はDF陣には割って入るための余地がいくらかある。

Samuel Umtiti(サミュエル・ウンティティ)についての、Qoly独自情報

1993年生まれの22歳、181cm75kg。

カメルーン生まれであるが、ジュニア時代からリヨンユースで育った生え抜き。U-17代表でフランスを選択し、以降各年代で選抜されてきた。左利きであり左サイドバックが本職であるが、トップチームではセンターバックに定着した。

身長はそれほど高くはないものの、機動力とキックの精度を兼ね備えたDF。また身体能力にも優れ、攻守のバランスが非常に取れているタイプである。

名前の発音については、ユムティティやユンティティなど様々な表記がある。だが、現地の発音に一番近いのはウンティティであり、無難な所に逃げてはいけない。

MF ステヴァン・エンゾンジ/27歳/セビージャ

フランスU-21代表では7試合に出場していたエンゾンジ。フル代表に割って入るのはより厳しいものになっていると考えはじめているだろう。

タレントがずらりと揃う代表の中盤にあって、このBox to Boxな27歳はデシャン監督に自らの存在を気付かせることに苦戦している。

ストークではプレミアリーグ107試合に出場しても、デシャンの注意を惹きつけられなかったのに、今後何がある?

DF・MF コランタン・トリッソ/21歳/

才能ある右サイドバックであるトリッソは現在の調子をキープできれば、すぐにデシャンに察知されるのは間違いない。

このバーサタイルな若者はMFとしてもプレー可能で、リヨンでのリーグ74試合で10ゴールを記録している。

U-21代表では13試合に出場しており、フル代表において最も弱点(手薄)なポジションでプレーしている点はラッキーといえる。

Corentin Tolisso(コランタン・トリッソ)についての、Qoly独自情報

1994年生まれの21歳。リヨンの下部組織出身のサイドバック。

ドリブル突破は得意ではないものの、精度の高いショートパスとロングパスを持っており、後方からのチャンスメイクとビルドアップを得意とする。181cmというサイズながら空中戦も得意で、プロ初ゴールもヘディングだった。

また若いながらも冷静で、派手なタイプではないが、堅実で決断力がある。さらに、ボランチやインドハーフで起用されても、その期待に応えることができる。

FW ウィサム・ベンニェデル/25歳/トゥールーズ

一時話題になった彼だが、リーグアンで一貫性を見せ続けており、プレミアリーグへの移籍もずっと噂されている。

その得点能力でトゥールーズでは活躍をみせているが、(代表では)スーパースター揃いなストライカーたちの後塵を拝している。もし呼ばれるとするなら、デシャンが偽9番かインサイドウィングを望んだ場合だろう。

Wissam Ben Yedder(ウィサム・ベンニェデル)についての、Qoly独自情報

元フットサルフランス代表という異色の経歴を持つ小柄なアタッカー。

足元の技術と柔らかいボールタッチには定評があり、チャンスを読むセンスもある。右利きであるが左足も全く遜色なく、小柄ながらヘディングも上手い。

元々はボランチやセンターハーフとしてプレーしてが、リザーブでストライカーをやってみたところゴールを量産。以降、トップチームでも本格的にコンバートされた。

2012-13にはトゥールーズでいきなり15ゴールを奪い、翌年も16ゴールを記録。安定した得点能力と巧みなシュート技術を発揮している。

フランスU-21代表は経験しているが、ヤン・エンヴィラらとともに夜遊びが発覚し長期の出場停止処分を受けたためにチャンスを逃している。

その名の通り、両親はチュニジアの出身。2013年にはチュニジア代表から誘われたものの、本人はフランスを希望しているために断っている。

MF ジョナタン・シュミド/25歳/ホッフェンハイム

シュミドは機動力とバランスに優れたウィンガーであるが、彼もまたその座をアントワーヌ・グリーズマン、アテム・ベナルファ、マテュー・ヴァルブエナらと争わなくてはならず競争は熾烈である。

デビュー以後フライブルクでプレーを続けていたが、降格に伴い昨夏ホッフェンハイムへ移籍。新天地では10番を背負い、ここまで22試合で4ゴールをマークしており、デシャンの関心を引くことだろう。

彼はいかなるユース代表でもプレーした経験がなく、25歳になる今すぐにでも割って入ることを望んでいるはずだ(なお、父親はオーストリア出身)。