【第97回選手権大会】ベスト8が集結！激戦を勝ち抜いた8校の戦いを振り返る！
第97回全国高等学校野球選手権大会は、8月16日の戦いで、ベスト8進出校全てが出揃った。明日に控える準々決勝を前に、今回はベスト8に進出したチームのこれまでの戦いについて振り返っていく。また、各チームのキーマンとなっている注目選手も紹介しよう。
清宮 幸太郎、山本 武白志、大瀧 愛斗など強打者ずらり■早稲田実業
清宮幸太郎（早稲田実業）
ここまで3試合で21得点の打線と、主将・加藤 雅樹の粘り強いリードを中心に、二遊間の堅い守備も光って、勝ち上がってきた。7安打1本塁打と攻守の要である加藤の活躍や、東海大甲府戦で待望の本塁打が生また清宮 幸太郎も、試合を重ねる度に調子を上げている。試合ごとに活躍した選手を振り返ると、初戦で今治西打線を8回投げて零封に抑えた背番号1の松本 皓。総力戦となった広島新庄戦で攻守で存在感を発揮し決勝打を挙げた渡辺 大地。さらに、清宮と加藤のKKコンビの連続本塁打を含む16安打8得点の猛攻で8強入りを決めた東海大甲府戦など、試合ごとにヒーローが生まれた。第1回大会から出場する古豪が、どこまで勝ち進むかに注目が集まる。
＜注目選手＞加藤 雅樹：攻守でチームを引っ張る大黒柱。多くの人が「今年は加藤のチーム」と話すように精神的な支柱。西東京大会から前評判で不利と言われてきた戦いで、勝ってきたのは加藤の力が大きい。清宮 幸太郎：東海大甲府戦で本塁打を放ったように、だんだんと調子を上げてきている。準々決勝も第1打席目から要注目だ。＜勝ち上がり＞1回戦：今治西 6-0 試合レポート2回戦：広島新庄 7-6 試合レポート3回戦：東海大甲府 8-4 試合レポート
■九州国際大付
山本 武白志（九州国際大付）
現在3本塁打の活躍を見せる山本 武白志を中心に、何と言っても打線が強力。初戦の鳴門戦で、13安打8得点と富山 凌雅と野木 海翔の継投で勝利。2回戦の大阪偕星学園戦では、序盤に4得点を許すもすぐさま同点とする。山本 武白志に2打席連続本塁打が生まれるなど大阪偕星学園に食らいつく。壮絶なシーソーゲームは、9回裏に2番・山口 耀平のタイムリーでサヨナラ勝ち。3回戦は、これまでの戦いとは打って変わって投手戦に。強力・作新学院打線をエース富山が完封し夏の大会初のベスト8入りを決めた。この試合で完封勝利した富山も調子が上がっており、今後の好投にも期待がかかる。
＜注目選手＞山本 武白志：2回戦からタイミングの取り方を覚え、快打を連発。早稲田実業の投手は、特別、球速がある投手がいるわけではないので、ドンピシャのタイミングが取れた時は、伝説を残す一打が見られるかもしれない。岩崎 魁人：強打の捕手。山本 武白志のようなホームランアーチストではないが、パワフルな打撃は相手チームの驚異になるだろう。＜勝ち上がり＞1回戦：鳴門 8-2 試合レポート2回戦：大阪偕星学園 10-9 試合レポート3回戦：作新学院 2-0 試合レポート
■花咲徳栄
大瀧 愛斗（花咲徳栄）
4番の大瀧 愛斗を中心とした強力打線が魅力。初戦の三沢商戦では、いきなり初回から4得点を奪うなど4回と7回以外には毎回得点の猛攻を見せる。最終回には大瀧のランニング本塁打が飛び出すなど、最後まで攻撃の手を緩めず18安打15得点と幸先の良いスタートを切った。3回戦の鶴岡東戦では、初戦とは打って変わって1点を争う接戦に。試合序盤は鶴岡東が優位に進めるも、7回に投手陣の好投を支える笹谷 拓海が値千金の打点を挙げ、そのまま逃げ切り初の甲子園8入りを決めた。打線に注目が集まるところだが投手陣では、鎌倉 知也と高橋 昂也の2枚看板が2試合で3失点と好投を続ける部分も注目だ。
＜注目選手＞大瀧 愛斗：2回戦の三沢商戦ではランニングホームラン、3回戦の鶴岡東戦でも4打数2安打と大当たりを見せており、4番打者として期待がかかる。高橋 昂也：左腕で、130キロ後半、さらに落差ある変化球もある。変化球を中心としたコンビネーションがはまれば、東海大相模打線は大きく苦しむことが予想される。＜勝ち上がり＞2回戦：三沢商 15-3 試合レポート3回戦：鶴岡東 1-0 試合レポート
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[page_break:全試合で失点が3点以内の東海大相模、秋田商、仙台育英]全試合で失点が3点以内の東海大相模、秋田商、仙台育英■東海大相模
小笠原 慎之介（東海大相模）
投打とも圧倒的な実力を見せるのが、東海大相模。大会屈指の好カードで注目を集めた初戦の聖光学院戦では、吉田 凌と小笠原 慎之介の投手リレーで強力打線を散発4安打に抑える。打っては初回から4安打の固め打ちでの4得点を含む10安打6得点で、聖光学院に投打で圧倒。ベスト8入りを決めた遊学館戦では、2試合連続で初回から4得点を奪う展開に。この試合でも打線は快音を響かせ、18安打11得点と、出場校の中でも一線を画する存在感を示した。2試合続けての2桁安打の強力打線に加え、これまでで3失点と好投を続ける小笠原と吉田の両投手が非常に恐ろしい存在だ。
＜注目選手＞小笠原 慎之介：速球、変化球とも精度を上げてきており、大会ナンバーワン左腕にふさわしい投球内容を見せている。課題であるチェンジアップが決まれば鬼に金棒だろう。杉崎 成輝：東海大相模打線のキーマン。打撃、走塁、守備ともにハイレベルで、杉崎が活躍すれば、チームは勢い付くだけに、この選手をどう抑えるか鍵になりそうだ。＜勝ち上がり＞1回戦：聖光学院 6-1 試合レポート2回戦：遊学館 11-2 試合レポート
■秋田商
成田 翔（秋田商）
これまでの2試合、接戦を戦ってきた秋田商は、成田 翔の投球が鍵を握る。
初戦の龍谷戦では、いきなり3者連続三振を奪う快投を見せ、最終的には16奪三振と好投した。3回戦の健大高崎戦では、初回に先制されるものの、すぐさま逆転。試合終盤に健大高崎に同点に追いつかれ、試合は延長戦へ。10回の攻撃では、二死から攻撃を仕掛け草�� 輝也の適時打で勝ち越しに成功。その裏の攻撃を成田が0に抑えベスト8進出決定。2試合連続で先発し完投した成田は19回を投げて4失点と好投を続ける。最速143キロを誇る左腕と、数少ないチャンスをモノにできる打線の奮起に期待したい。
＜注目選手＞成田 翔：140キロ前後の速球、落差ある変化球で勝負する好投手。連投の影響が心配されるが、好投できるか。＜勝ち上がり＞2回戦：龍谷 3-1 試合レポート3回戦：健大高崎 4-3
■仙台育英
佐藤 世那（仙台育英）
春の選抜でも活躍を見せた、佐藤 世那や初戦の第1打席で本塁打を放った平沢 大河などタレントが揃う。初戦の明豊戦では、平沢の本塁打や4本の二塁打を含む6安打で一挙に5点を奪う。その後も攻撃の手を緩めず終わってみれば20安打12得点。投げては佐藤 世那と百目木 優貴の継投で明豊打線を散発4安打に抑える。初戦の勢いのまま2回戦の滝川第二戦でも猛攻を見せ7得点。3回戦の花巻東戦では、これまでの戦いとは一変、1点を争う戦いに。先制するも徐々に追い上げられるが、佐藤 世那が花巻東の追撃を抑え東北対決を制した。今後も打線の爆発と佐藤 世那の好投に期待がかかる。
＜注目選手＞佐藤 世那：145キロの速球、落差あるフォークを武器にする投手。球数を少なく収める投球ができており、春に比べると投球内容はレベルアップしている。平沢 大河：俊足堅守で、強打の遊撃手。初戦の本塁打以来、平沢らしい一打はない。準々決勝では本領発揮となるか。＜勝ち上がり＞1回戦：明豊 12-1 試合レポート2回戦：滝川第二 7-1 試合レポート3回戦：花巻東 4-3 試合レポート
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[page_break:試合終盤での得点力が高い興南、関東一]試合終盤での得点力が高い興南、関東一■興南
比屋根 雅也（興南）
2試合連続での逆転勝利を収めるなど、粘り強さのある興南。変則派左腕・比屋根 雅也の好投が鍵を握る。これまでの興南の戦いを振り返ると、初戦の石見智翠館戦では、終盤に逆転され追う展開となった。無死から走者を出し、犠打で得点圏に進め石川 涼の適時打で追いつき、二死の場面で代打に起用された城間 楽人の左前への安打でサヨナラ勝ちを収める。逆転劇の勢いそのままに、ベスト8の最後の1席を懸けて戦った鳥羽戦では、2点ビハインドの試合終盤に着実に得点を加え8回に逆転。最後まで諦めない姿勢が5年振りの8強入りに導いた。先発の比屋根は尻上がりに調子を上げ、次戦以降の活躍も期待したい。
＜注目選手＞比屋根 雅也：独特のクロスステップから投げ込む技巧派左腕。3回戦は初戦に比べると安定感が増した投球であった。連投が心配されるが、さらに粘り強い投球をみせていきたい。＜勝ち上がり＞2回戦：石見智翠館 6-5 試合レポート3回戦：鳥羽 4−3
■関東一
オコエ 瑠偉（関東一）
高校生野手No.1との呼び声高いオコエ 瑠偉。打撃力もさることながら、驚異の俊足と守備範囲の広さが魅力。そんな関東一のここまでの戦いを振り返ると、初戦の高岡商戦では3回に一挙7点を奪う猛攻を見せる。高岡商に追いつかれる波乱もあったが、チーム一丸となって粘り強い攻撃を展開し競り勝った。3回戦の中京大中京戦では、初戦とは逆に投手戦に。関東一は5回までに安打が出ない。しかし、中京大中京のチャンスをことごとく守りきり相手に1点も許さない。守備から流れを掴み、9回裏の一死から5番・長嶋 亮磨のレフトスタンドに飛び込むサヨナラ本塁打で勝利を収めた。接戦にも競り負けない強さを準々決勝以降にも発揮したい。
＜注目選手＞オコエ 瑠偉：攻撃面では彼が出塁できるか否かで、大きく流れが変わってくる。また守備面でもスーパープレーで相手の流れを断ち切る力をもった選手だ。＜勝ち上がり＞2回戦：高岡商 12−10 試合レポート3回戦：中京大中京 1−0 試合レポート
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