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 プロ野球の前半戦もいよいよ大詰め。オールスターのファン投票結果も発表され、夢の球宴を心待ちにしているファンも多いはず。最多得票は、53万6267票を集めた西武ライオンズの森友哉捕手。チームとしては、

投手部門:黒田博樹
捕手部門:會澤翼
一塁手部門:新井貴浩
二塁手部門:菊池涼介
外野手部門:丸佳浩

 の5名が選出された広島カープが、昨年に続き最多選出となった。例年、オールスターに選ばれる選手は、その年活躍中の選手や、上位チームの選出されることが多い。しかし、今年のカープはどうだろう。大混戦とは言え、投票期間中のチームは下位に沈み、個人成績もふるっているとは言いがたい。そんな状況での最多選出に、ファンの思いは複雑なようだ。一部のファンの声を紹介する。

「黒田、新井に関しては、成績とその背景を考えてもアリだと思う。菊池、丸も前年程の数字は残していないが、オールスターには欠かせないのではないか。ただ、會澤に関しては、消去法で選ばれたような感じがあって少し残念」(30代男性)

「交流戦ができてから、オールスターの価値が下がった気がします。特定の球団に一極集中してしまっているのは残念です」(40代男性)

 と、チーム、個人両方の成績が振るっていない状況での出場に納得していないファンもいるようだ。

 一方で、賛成意見も多い。

「ファン投票である以上、実力、成績に関係なく好きな選手に投票するのは当然だと思います。それだけカープの人気が高い事の裏返しってことで誇らしい」(20代女性)
「ズムスタ開催だし、カープの選手がたくさん出たほうがいいと思う。たくさん選ばれて、単純にうれしい」(10代男性)

 と、カープ最多選出に喜びを隠せない様子。そんな賛否ある中で、目立ったのが、客観的な意見だ。

パ・リーグからの票流れも

「投票する人は、大きく分けて2種類。実力ある選手に投票する人と、ただ好きな選手(チーム)に投票する人じゃないですか。カープは後者の割合が高かったということだと思います」(30代女性)
「カープの選手に票が多いのは、それだけ選手個人への思い入れが強いからだと思います。個人差はあるが、特にジャイアンツファンに思いれのある選手を聞くと、特にいないっていう反応が多いですからね」(30代女性)

 確かに、カープファンの選手への思い入れは強い。12球団唯一の国内FA選手未獲得球団で、自前で育てることを誇りにしていることも影響しているのかもしれない。それが最多選出に繋がったという意見も少なからずあった。

 最後にこんな意見が、

「パ・リーグファンからの票流れは多いと思います。と、言うのも他球団ファンはスクワット応援をしたがっているんです。だから、カープ選手が打席に立つ回数が多いと、そのチャンスが増えるから自球団プラスカープで投票したんじゃないでしょうか」(20代会社員)

 スクワット応援とは、カープ独特の応援法。確かに他球団ファンから見たら、 やってみたく思うほど楽しそうに映る。事実、日米野球などでカープ選手が打席に立つと色めきだっているのは紛れもない事実だろう。どうせ、全ポジション投票するならば、スクワットしたいしカープに入れよう。そういう考えを持っているファンは案外多いのかもしれない。

 賛否あったオールスターファン投票だが、選んだのは紛れもなくファン。選ばれた選手は選んでくれたファンを魅了するプレーを見せてほしい。

(取材・文/井上智博)