中国メディアの騰訊財経は5日、不振が続く日本の電機メーカーの技術者について、中国の家電メーカーが採用を狙っていると伝えた。

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 中国メディアの騰訊財経は5日、不振が続く日本の電機メーカーの技術者について、中国の家電メーカーが採用を狙っていると伝えた。

 記事は、不正競争防止法の改正案がこのほど参院本会議で可決し、成立したことについて、「日本政府は国内産業の技術を保護するための法律を改正した」と伝え、日本人の元社員が他国の企業に転職した際に、企業の営業秘密を持ち出すことを防ぐ狙いがあるなどと紹介した。

 続けて、不正競争防止法の改正案は罰金の額が大きく引き上げられたことなどを紹介したうえで、「不正競争防止法改正案がこれほど厳しいのは、日本の多くの産業が今、衰退に直面していることと関係があるのかもしれない」と指摘し、家電分野もその1つであると主張した。

 さらに記事は、日本のメディアの報道を引用し、中国の家電メーカーである海信集団(ハイセンス)が日本人技術者を中途採用する計画であることを紹介し、「シャープが募集する3500人の希望退職者に狙いを定めている」と報じた。

 また、日本人技術者の採用を狙っているのはハイセンスだけでないと指摘。海爾集団(ハイアール)といった中国メーカーも同様に、経営状況の芳しくない日本の電機メーカーから退職する日本人技術者を採用し、中国国外における事業展開を加速させようとしていると論じた。

 そのほか、中国の家電メーカーが国外で事業展開を加速するうえでは「現地における技術的な権利問題を念頭に置く必要がある」と指摘。過去に日本企業と韓国企業による係争が起きた事例などを紹介し、「企業間もしくは国家間で技術の流出を完全に阻止することは難しいもの」と主張。

 さらに、技術者が転職すれば、転職前に勤めていた企業の技術的情報や人脈が転職後の企業に流れてしまうものだとし、「中国企業が日本の技術者を採用しようとしているのも、こういう点に狙いがあるのかもしれない」と論じた。(編集担当:村山健二)(写真は騰訊財経の5日付報道の画面キャプチャ)