金正恩氏ここ数年の間に、北朝鮮で起きている人権侵害は国際社会での主要なイシューになった観がある。国際社会が北朝鮮で起きている人権侵害に関心を持ち始めたのは、冷戦末期の1980年代末になってからだった。そして、1994年7月の故金日成主席の死去と前後して始まった大混乱期「苦難の行軍」において、内部からの情報の噴出が起きる。中国や韓国に逃れてきた脱北者の証言によって、北朝鮮社会の実態が伝わり始めたのだ。筆者も1