3月12日、やっと次期日本代表監督が正式決定した。この日、日本サッカー協会は定例理事会を開催し、議題の1つである次期日本代表監督として、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が承認された。

原博実専務理事は「今日の第三回理事会において監督としてハリルホジッチ氏、コーチとしてジャッキー・ボヌベー氏、フィジカルコーチとしてシリル・モワンヌ氏が承認されました」と記者会見の冒頭で述べると、続いて霜田正浩技術委員長が経緯を報告した。また、GKコーチはリカルド氏が続投することも合わせて発表された。

霜田委員長が明かした契約の経緯は以下のとおり。

2月3日にアギーレ監督との契約を解除し新監督を探すにあたり、強化委員会は契約交渉の方針を次のように決めたという。
・3月に開幕を控えたJクラブの現職監督を引き抜くことはしない
・ワールドカップ出場のために世界を知り、世界を経験している監督を選出する

そこで2月8日に霜田委員長が渡欧するまでリスト作りを進め、21日までの間にヨーロッパで情報を収集し、そこでもハリルホジッチ監督とは会談している。21日に帰国し、22日に技術委員会で優先順位などを決めた。その時点でハリルホジッチ監督を最優先として2日間にわたって会談し、そこで条件なども大筋合意した。

ハリルホジッチ監督は、
「勝利のために攻撃的な姿勢で戦う」
「決定力を伴ったチームにする」
「日本人のストロングポイントを生かしたスタイルでアジアを勝ち抜き、ワールドカップに出場する」
「世界で結果を出すために、出来ることはすべて出し切る」
と語ったという。

質疑応答では、ハリルホジッチ監督に期待することは「2カ国でワールドカップ出場、ヨーロッパのクラブで多くの選手を指導という経験から、日本のストロングポイントを生かして、世界と戦えるチームを作ってくれるのではないか」、オシム元日本代表監督からアドバイスはあったのかという質問に対しては、「会いに行ったけれども、監督に急用が入ったので会えなかった。会っても、今の日本サッカーをどう思っているかというのを聞きたかったのであって、監督を紹介してもらおうと思ったのではない」という回答があった。

「勤勉さ、マジメさを重要視する監督なので、日本人には合うのではないか」ということだったが、同時に「厳しい監督」とも述べている。また、原専務理事は「外部機関に調査してもらって大丈夫だということでした」と身辺調査をしたことも明らかにしている。

【日本蹴球合同会社/森雅史】