武藤嘉紀 (撮影/岸本勉・PICSPORT)

写真拡大 (全17枚)

1点のビハインドに、アギーレ監督が最初に交代出場させたのは秘蔵っ子の武藤嘉紀だった。武藤はすぐに躍動を始める。52分、香川真司のパスに抜け出してシュート。これは左に外れるが、54分、今度は酒井高徳のクロスに頭で合わせてUAEゴールを脅かす。60分には武藤、本田圭佑、香川とつないで決定機をつくり、84分には本田からのパスをシュートに持ち込んだ。さらに86分、90分とチャンスに絡むなど、武藤は周囲との連携も改善された姿を見せた。ただ1つ、ゴールはなかった……。

報道陣の前に姿を現した武藤は、代表デビューしたときのように伏し目がちで話した。

「悔しいの一言です。自分は何度もあったチャンスを決めきれなかったので……」

昨年Jリーグにデビューし、そのままの勢いで日本代表にも入った。世間一般から見れば「新人」のはずだ。「思いきりやったけどダメでした」などという台詞が帰ってきてもおかしくない。だが、武藤は自分をそう捉えていない。

「ふがいなく思っています」

まるで責任を1人で背負わなければいけないと思っているかのような表情だ。

「監督からは流れを変えろ、どんどん仕掛けて攻撃を活性化させろといわれました」

だから出場すると、突進し、積極的にシュートも打った。ミドルシュートがアクセントになったのでは、と助け船のような質問に対しても、

「ミドルシュートもフリーで打ったので、決めなければいけなかった……」

と逆に元気がなくなる。

「本当に悔いの残る試合でした」

思わず報道陣が聞く。「固くなった?」

「はい、肩に力が入って……。もっとリラックスして打てれば良かったのですが……」

その責任感故に、武藤は押しつぶされそうになっているように見える。そしてそのプレッシャーに打ち勝とうと、必死で成長しようとしているのだろう。代表チームとはそういうものかもしれない。

【取材・文/山本遼太郎】

▼ 武藤嘉紀

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ UAE戦の先発イレブン

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ ハビエル・アギーレ監督

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 遠藤保仁

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 岡崎慎司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 乾貴士、吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也,酒井高徳,本田圭佑

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 香川真司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 香川真司、柴崎岳、本田圭佑、酒井高徳

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 柴崎岳

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 酒井高徳

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 森重真人

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 川島永嗣

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 長谷部誠

(撮影:岸本勉/PICSPORT)