間違いやすい「尊敬語」と「謙譲語」を簡単に区別する方法
自分の使っている敬語が尊敬語なのか、それとも謙譲語なのか、時々わからなくなって不安になることはないでしょうか。自分の使っている敬語がどちらかを簡単に区別するには、主語をつけて考えてみることが一番。主語をつけるとなぜ簡単に区別できるのか、ご紹介します。
■尊敬語は相手を立てる言葉、謙譲語は自分がへりくだる言葉
尊敬語は相手を立てるための言葉で、謙譲語は自分がへりくだるための言葉です。これはそのまま「主語」がどこにあるのかを指し示しています。例えば尊敬語は相手を立てるための言葉なので、主語は「相手」に。謙譲語は自分がへりくだるための言葉は、主語が「自分」になります。
例えば尊敬語か謙譲語かよくわからなくなりやすい言葉に「拝見」というものがありますが、もし、これがどちらなのかわからなかったときは、主語を相手もしくは自分にしてみて、どちらがしっくりくるかで判断することが可能です。
例えばお客さまに資料を見てもらいたいときに、「拝見」という言葉を使ってもいいものか悩んだときは、「お客さまは、資料を拝見する」「私は、資料を拝見する」と2パターン考えてみるのです。圧倒的に後者がしっくり来るはず。
尊敬語か謙譲語かがよくわからなくなったときは、ぜひ主語を活用して、どちらが適切かを考えてみましょう。
■間違いやすい「お」、「ご」はどうやって区別すれば？
尊敬語と謙譲語の使い分けで悩みやすいのが「お」と「ご」のつけ方。一般的に「お」と「ご」は相手を立てる尊敬語でよく使われますが、たまに謙譲語でも「お」と「ご」を使うことがあります。
例えばよく迷いやすいのが「ご相談」という言葉。相談は自分がするものなのに、それに対して果たして「ご」をつけていいのかとふと疑問に思うことも多いはず。この使い分けのコツは「誰のために、自分がそれをやるのか」を考えればわかりやすくなります。
説明が相手のためなら「ご説明」。相手のために報告・連絡・相談をするならご報告・ご連絡・ご相談という言葉を使っても問題ありません。一方で自分のためにすることには「お」と「ご」をつけると変な印象に。例えば上記の例にある「相談」でも、自分の悩みを聞いてほしいときに「ご相談」を使うと、自分に対して尊敬語を使っていることになってしまいます。
自分のことをするときは「実は前々から悩んでいたことで、相談があるのですが……」と「ご」をつけずに使いましょう。
敬語の使い方、中でも尊敬語と謙譲語の使い分けは時々悩んでしまいやすいもの。ぜひコツをつかんで、上手に使い分けられるようにしてみてくださいね。
