スマホの「バッテリー3日持ち」は本当?1日の基準と実際のバッテリー持ち

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最近、スマートフォンのバッテリーが“2日持つ”、“3日間利用実現”といった、キャッチコピーを目にすることが増えました。

この「電池持ち」は、いったいどんな基準で決められているのでしょうか。


NTTドコモでは、ブラウザ(インターネット)やメール、SNSの利用を1日約80分と想定しているそうです。

なぜ1日80分かということいなのですが、NTTドコモ利用者のデータ通信利用量から契約者の平均を算出すると1日80分ほどの利用時間となるそうで、このデータを基準としているそうです。ちなみに現在の2〜3日持つ状態は、従来型の携帯電話(ガラケー)の待ち受け時間に追いついたとしています。


80分は短く感じますが、1日でモバイルデータ通信を確実に利用するのは、大抵は外出時の移動中となります。社会人であれば通勤時間の間、長くても往復約2時間の間での利用、休憩時間を除く仕事中はほとんど利用していない状態になります。もちろん業種、職場の環境にもよりますが、仕事中にしっかりとスマホを使い倒す環境は珍しいと言えるでしょう。

さらに、仕事場や家庭ではWi-Fi接続に切り替えるか、パソコンなどの利用に切り替えることもでき、もちろん充電もできる環境であることを考えると、常にスマホを使っていたとしても電池持ちを気にすることは少ないでしょう。、

移動中の利用についても、乗り換えなど歩行中はほとんど利用していませんし、必ずしも常時利用しているわけではなく、SNSやメールチェックが主な利用となるので接続時間は利用者が感じているより短い時間だったりします。

このように“モバイル通信”を基準に1日の利用時間を算出すれば、1日80分程度の利用というのも、あながち間違ってはいないように思えます。


しかし、ガラケー時代と違い、スマホの利用は通信している時間だけでありません。電子書籍や音楽や動画の視聴、ゲームなど、通信を使用していない利用時間もかなり増えています。

特にスマホのゲームは利用者も多く、スマホの利用時間の大半を占めるという人も多いことでしょう。ゲーム利用の場合、データ通信をほとんど使わなくても、通勤の往復2時間をフルに利用したり、家庭で長時間利用したりするケースも多いと言えます。

ガラケー時代であれば、通信利用時間=ケータイの利用時間にかぎりなく近かったわけですが、ガラケーよりできることが多いスマホの場合、通信を利用しない状態での利用も多くなるため、実際の利用時間通信時間より長く利用していると言えそうです。総務省の全国の高校1年生約3500人に実施した調査でも、スマホ利用者の56%が「2時間以上」と解答しています。

こうした利用状況を考えると通信利用時間でスマホ利用時間を算出するのは一つの基準としてはよいですが、“利用者側の感覚”からは隔たりもあると言えそうです。

もちろん、全てのスマホ利用者がゲームをしているわけではないですし、スマホを持っている人でもほとんど使っていない人もいるでしょう。「2〜3日持つ」というキャッチコピーを鵜呑みにしている利用者は決して多くはないでしょうが、スマホを購入する際は、少なく見積もって半分程度と思っておくのがよさそうです。

とはいえ、休日などの長時間利用は別にして、通常の生活での利用状況においては、最新のスマホであればバッテリーが1日以上は持つ時代を迎えたといってもよいでしょう。



スマホ所有高校生の過半数が「1日2時間超」 総務省が青少年ネット利用調査
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1309/04/news096.html