藤浪晋太郎はもうアップアップである。ここ5試合、投げるたびに自責点を増やしている。
週1度のローテーションを維持してはいるが、成績はどんどん悪くなっている。
これまでの戦績。

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藤浪は高校時代は150km/h超の速球と、キレの良い高速スライダー、カーブ、カッター、フォークを持っていた。
高校レベルではどれもが一級品。特に速球は150km/hを超えるとほとんど打たれなかった。

当たり前のことだが、プロでそのまま通用することはない。投げ下ろしの角度のある速球は最初の頃こそ打者を驚かせたが、慣れてくると、カットされたり見逃されるようになった。自信のあったスライダーも見極められる。
藤浪は制球の良い投手なので、歩かせることはなかったが、徐々に的を絞られるようになる。

転機は交流戦だった。しぶといパリーグ打線は、藤浪の球を見極めた。決め球のスライダーやフォークにも手を出さなかった。そして狙い球を定めて痛打した。
本人も慎重になりすぎて、球数を増やすようになった。

1回あたりの投球数はこれまで14球前後だったが、ここ4試合は18.1球。限界値を超えている。
また援護点(RS)も激減、運も反転した。

制球難が指摘されたが、それは引き出しがない中で、何とか結果を出そうと小手先の策を弄した結果だ。
和田監督の
「うまく投げようとし過ぎて、小さくなりかかっている」
が現状をよく表している。
実力、技術不足を痛感して自信を喪失しているのだ。

中西コーチは二軍落ちは考えていないと言った。確かにオールスターに選ばれるのが確実な中、藤浪を落とすのは酷かもしれない。
だとすれば、次回登板を回避してあと1、2度上で投げさせ、オールスターに出場後、結果いかんにかかわらず、ファームに行かせるべきである。

できれば今年いっぱいはファームで調整をし、学ぶべきことを失敗が許される環境でしっかり学んで、翌年、再デビューしてほしい。

あわただしくなるペナントレースに翻弄されて、心身ともに消耗して、来季以降使い物にならなくなるような事態は避けてほしい。