中国大手検索サイト百度の掲示板に「日本の内閣閣僚の平均資産が1億円ってどう思う? 」というスレッドが立てられた。スレ主の質問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられている。

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 安倍晋三首相と閣僚の計19人が15日、2012年12月の内閣発足時の保有資産を公開し、配偶者ら家族分を含めた閣僚の平均資産は1億193万円だった。最多は4億7138万円の麻生太郎財務相で、安倍首相は1億793万円だった。

 同ニュースに対して、中国人ネットユーザーからは「なんて少ないんだ!」と驚きのコメントが多く寄せられた。

・「たったこれだけ? 北京の別荘すら買えないよ。中国の普通の役人ですら完勝だろ」・「中国の村長ですら日本の閣僚より多いって。数日前、ある役人が1兆円以上持って逃げたらしいよ」・「なんて貧しいんだ。こんな金額では地方の村長とも比較にならない」

 中国では汚職が問題となっているが、役人が多額の資産を保有していることは広く知られた事実だ。役人が保有する資産が汚職によって手にしたものであることも分かっているようで、「中国の役人が見たら笑うね。一介の校長先生だって数年分の賄賂で日本の閣僚を上回るよ」と主張するユーザーがいた。

 米紙ニューヨーク・タイムズは2012年10月26日、温家宝首相の首相就任以来、親族が少なくとも27億ドル(約2504億円)の資産を蓄えたと報じた。温家宝首相は「事実無根」などと抗議を行ったが、真相は不明だ。

 中国人にとって、高級官僚などが合法、非合法の手段を駆使して巨額の資産を得ていることは、「一般的な常識」である感がある。そのため、経済大国で資本主義国である日本の国家幹部の平均資産が1億円程度という報道は、衝撃的だった。

 中国の高級幹部の場合には、収入や資産だけでなくさまざまな「特権」を有しているという特徴もある。

 例えば毛沢東主席の場合、中国は「世界でもっとも給料が低い国家指導者」などと盛んに宣伝した。たしかに正規の給与は極めて定額だったが、自らの著作による莫大な印税収入があり、しかもメイドやお抱えの調理人を持ち、プール付きの家に住むなど、一般庶民は夢想だにできない「豪華な暮らし」を満喫していた。「官」と「民」の隔絶は、封建王朝時代が終わり社会主義国家になっても、“中国4000年の歴史”として、今もなお続いている。(編集担当:畠山栄)