「火薬庫」。スペイン『マルカ』は14日、レアル・マドリーのドレッシングルームをこのように称した。コパ・デル・レイのセルタ戦で敗れたことを受け、「(ジョゼ・)モウリーニョ監督とチームの距離が広がっている」と報じているのだ。『マルカ』はさらに、「ファミリーの問題」というタイトルの2ページにわたる記事で、内部分裂について次のように説明した。

「監督のメッセージは以前のように伝わらない。選手たちは、監督からの『ぶつかれ』という指示をこなさなければいけないことに疲れている。選手たちは戦術的な選択について議論している。モウリーニョはメディアへの情報漏えいや、2年間補強がないことで裏切られたと感じている。モウリーニョはますます選手たちから遠ざかっており、不安定さが退団という考えを強くさせている」

『パイース』もレアルの危機に紙面を割いた。セルタ戦の敗北は、今季のレアルにとって公式戦6敗目だ。昨季は5敗だった。モウリーニョ監督のチームがクリスマスまでに6敗するのは初めてのことだ。バルセロナとの勝ち点差は11となり、リーガ連覇はもはや理想の話となっている。

1月9日に行われるセルタとのセカンドレグでは挽回が可能だろう。その後はレアルがこだわる「デシマ」、つまり10度目の優勝を狙うチャンピオンズリーグが戻ってくる。つまり、まだ堂々とシーズンを終えることは可能なのだ。だが、すきま風や亀裂、不満がレアルの雰囲気に影響している。

『パイース』は「選手たちは怒っている。モウリーニョが挑発するのは、選手たちが公に反発し、そうすることでサポーターにとって『従わないエゴイストたち』と映るようにするためだと、以前から気づいている」と報じている。

確かに、モウリーニョ監督は負けるたびに選手たちを批判している。名前を挙げることはないが、それはとどまることを知らない。水曜のセルタ戦での敗北後も、同監督は「ケガをした(ラファエル・)ヴァランは元気な選手たち以上にプレーした。関心を持っていない選手たちがいた。カップ戦だからかもしれない」と話している。ほかにもあり、選手たちは納得していないのだ。

だがどうやら、モウリーニョ監督はまだフロレンティーノ・ペレス会長から無条件の支持を受けているようだ。地元メディアはこの点でも疑問を投じていた。だが14日の報道では、15日の授賞式の場でペレス会長がソシオに対し、モウリーニョ監督はベストだと言うことで、全面的に同監督を擁護するとされている。ペレス会長がモウリーニョ側にいる限り、彼はもうしばらく安心していられるだろう。