ローマのルイス・エンリケ監督が退任する理由は、「疲れている」からだった。契約を1年残し、ローマを1年だけで去ることにした理由を説明するのに、同監督はバルセロナのペップ・グアルディオラ監督と同じ言葉を使ったのだ。L・エンリケ監督は会見で次のように語った。

「私にとって、このチームを率いるのは大きな喜びだった。ここに来たことを後悔したことはない。家族は幸せだったし、今も幸せだ。家族は私が残ると確信していたから、去らなければいけないということを説得しなければいけなかった」

「私は常にファンから最大限の敬意を払ってもらっていた。道で会っても、よく扱ってもらっていたよ。チームのプレーが気に入らないと言われたときであってもね。私はとても価値のあることだと思っているし、感謝している」

だが、ローマは常にL・エンリケ監督と対立関係にあった。とても愛され、サポートされてきた同監督だが、憎まれもしたのだ。だが全般的に、サポーターは誰よりも彼と彼のプロジェクトに忍耐強かった。

「もちろん、私がやっていることを理解しないサポーターもいる。だが、私はまず自分に、そしてクラブと選手たち、サポーターたちに誠実なんだ。私はいつも、自分が椅子にしがみつくことはないと言ってきた。そして、自分がチームにとって重荷になっていると分かったときは、出て行くと言ってきた。フィレンツェでの試合の後に、そうだと気がついた」

「私が出て行くのは、疲れているからだ。常に110%を出してきた。来シーズンを始める上で、力を回復することができないと思うんだ。だから、ほかのチームを率いることがないことも分かっている。この難しく、だが最高の冒険を終えて、私は回復しなければいけない。結果を出すために、私はエネルギーを使ってきた。3位の座を達成することができなかったことは、申し訳なく思っている」

「私は今季がとてもひどいシーズンだったとは思わない。チームは大きく改善された。選手たちは努力し、私は常に彼らを守ってきた。最終日、私は彼らに感謝するよ。彼らは私が思っていたことをやろうとしてきたからね。だが、最終的に監督が結果で評価されるのは正しいことだ」

「2日前、すでに私は選手たちやチーム、スタッフたちと話し合った。自分が思っていること、感じていることを伝えるためにね。心から話すために、スペイン語であいさつした。メディアで報じられている私のコメントは、すべて間違っている。発言は録音したし、私が言ったことを記した紙もある」

「私にとって、ローマを率いるのはこの上なく大きな喜びだった。誇りに思っている。何より、ローマを選んだことを後悔していない。最悪の時期でもね。残念ながら、そういう時期はたくさんあったがね」

FWフランチェスコ・トッティとの関係について話さずに、会見を終わることはできないだろう。同監督はトッティとの関係において、問題はなかったと話した。「何度も彼について話してきたね。まるで彼に惚れているかのようだ。妻は妬いているよ」と冗談を飛ばしてから、L・エンリケ監督はこう続けた。

「とても特別な関係だった。最初から彼とは素晴らしいフィーリングだったよ。我々がケンカをしたとメディアが報じたときに、私は彼に何もないと伝えたよ。選手として、人として、私は彼を評価している。フランチェスコは真のカンピオーネだ。本当にうれしかったよ」