「安心したまえ。私が出て行く日まで、一日減った」。本拠地オリンピコの外でサポーターが抗議する一方、ローマのルイス・エンリケ監督は会見室のテーブルを叩いていた。ローマは25日のセリエA第33節で、フィオレンティーナに1−2と敗北。チャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得の希望は、ほぼ完全に絶たれてしまった。

指揮官はすでに去就を決断したのだろうか? L・エンリケ監督は「いや、決めていない。今は逃げるときじゃないんだ。チームのことと、次のナポリ戦のことを考えるときだよ」と語った。だが、ローマは15年ぶりに欧州の舞台から去る怖れがある。指揮官はこう続けた。

「マンマ・ミーア。知っているよ。心配するな。君らにとって幸いなことに、私は永遠じゃない。私がプロジェクトのことを話したことはない。私は仕事をしに来たんだ。今はチームと一緒にいるときであり、君らが気に入らなくても気にしない。ローマの監督は明日、ナポリ戦に向けて準備するために朝9時に起きる」

「難しい状況だ。チームは最初から苦しんだ。サポーターは今日も素晴らしかった。監督と選手、クラブにとっては難しい日だよ。だが、何も起きるわけじゃない。サポーターの我慢も限界? 安心したまえ。私が出て行く日まで、一日減った。それが君らの望んでいることならね。だが、私が考えているのは、目標を達成するために残り試合を戦うことだけだ」

「責任があるとしたら、私にある。3位? 目標は、ローマが来年も欧州の舞台で戦うこと。だが、こういう敗戦の後では、難しいことだよ。結果が出ないときにサポーターが落胆するのは当然だと思う。ローマの環境を恐れることも、結果を焦ることもない」

「私はいつも言ってきた。監督が問題になる日が来たら、それは全員にとって難しい日だ、とね。我々は本来のレベルから遠い試合をしてしまった。だから、悲しいのは理解できる。チームが簡単に自信を失うのでは、戦うのは難しい。この試合を勝っていたら素晴らしかったが、今季は運が決して我々を支えてくれることはなかった」

一方、フランコ・バルディーニGM(ゼネラルマネジャー)は、「私に決定権がある限り、私と契約している経営陣が認めてくれる限り、L・エンリケは来年もローマの監督だ」と、指揮官の味方をしている。

「この2連敗をとても悲しく思っている。CL出場に向けて重要な勝ち点を落としたことは、スポーツマンとして落胆している。だが我々は、この指揮官の良さや価値に疑いを抱いたことはない。むしろ私は私により疑いを抱くよ。この状況に責任があるとしたら、それはL・エンリケではなく私だ」