メディアの言葉より、やっぱりお客さんの生の声だよね。という理由で利用者を増やした「食べログ」。だが、それによって落とし穴も?

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 人気のクチコミグルメサイト「食べログ」に対抗すべく、グルメサイト大手の「ぐるなび」が利用者による飲食店の採点サービスを開始した。ジャンルごとにランク形式で人気店を紹介し、お店選びにユーザー同士の意見を反映できるとしている。

 各飲食店からの広告費ベースで運営していた「ぐるなび」が採点サービス導入に踏み込んだのは、飲食店の情報サイトとして絶大的な影響力を持つ「食べログ」の存在を無視出来なくっためと言われる。現在、「食べログ」に登録されている飲食店数は全国で約66万5000軒、月間利用者数は約3051万人と他のサイトを大きく突き放している。

 だが、そんな「食べログ」にも落とし穴があった。利用者が増加するにしたがって、飲食店から不満の声が挙がり始めているのだ。

「バイトの面接で不合格にした学生が逆恨みをしたらしく、友達を総動員して悪い点数をつけていた」(都内ベーグル専門店店長)

「イタリアン出身の店長が経営する和食店だからと、何人ものお客さんが『パスタ作ってもらえるんですか?』と聞いてくる。おかしいなと思ったら、食べログのレビューに『元イタリアンの店長が……』って書かれていた。今も削除できないまま残っている」(都内小料理店の女将)

「大学生らしき女のコ5人組のひとりが『私、定食なんて食べたくない。近くにマックがあるから買ってくる』とか言い出した。『当店はひとり1品ご注文していただくことにしているんです』と説明すると、『超サービス悪いんですけどぉ〜。食べログに書いてやる!』と言ってきた」(都内定食店店主)

 こうしたレビューによる“風評被害”は「食べログ」側も把握しており、ガイドラインで禁則事項を設定。「ここの肉を食べると必ず腹痛になる」といった根拠のない誹謗中傷や、「経費削減のためにエアコンをつけていない」といった経営方針についての書き込みを原則禁止している。

 だが、その一方で「食べログ」はクチコミを削除しない方針も明言。誹謗中傷のみならず、事実誤認のような間違った情報も残り続ける。結局のところ、「食べログに書きこむぞ!」とワガママ放題のユーザーに店側は泣き寝入りするしかないのだ。

 使ったことのある人ならわかるが、「食べログ」は非常に便利なサイトだ。それが一部のマナーの悪いユーザーのせいで信用度を落としているとなると残念な話だ。

(取材/高篠友一)

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