中国人ブロガー「Dashan166」さんは、「日本に2年間住んで、日本人が中国人をバカにする理由が分かった」というタイトルでブログを掲載している。バカにしているかどうかはともかく、尖閣諸島問題や反日デモなどの影響で、中国に対する嫌悪感を抱いている日本人が少なくないのは確かだろう。AP通信らが日本で行った世論調査によると、7割以上の日本人が中国を「嫌い」と答えたそうだ。

 ブロガーは「中国国内でも地域によって見下したり見下されたりということはある。香港人は大陸の中国人を見下し、上海人や北京人は経済的に貧しい地域を見下す傾向がある」と言い、「見下す原因は経済格差ではないか。人間は平等だとはいえ、現実社会では金持ちと貧乏人はとてもじゃないが平等とは言えない」と続けた。

 そして、「日本の若者が中国に反感を抱いているのは、政治的な理由ではない。今の日本の若者は政治に対しては何の興味も持っておらず、中国に対しては個人の好き嫌いでしか判断していない」と解説。そして、「中国国内のテレビでは上海や北京の発展した高層ビル群などを放映しているが、日本のテレビではよく中国内陸部の貧しい地域を流している」と紹介。衣食住もままならず、年収は2000元(約2万5000円)足らず。子どもを大学に通わせるのも一苦労。そんな人々をテレビ画面で見せられれば、「私だって見下したくなる」とブロガーは言う。

 十分な教育や医療を受けられない人がまだまだいることなどを指し、ブロガーは「中国人は外国から見れば貧乏人。一部の人々ではなく、すべての人々が尊厳ある暮らしを送れるようにしなくてはならない」と主張。「日本人は70―80%の人々が社会に対して満足しているというが、中国人は自分たちの生活に満足している人はどの程度いるだろうか」と締めくくった。(「日本人は70―80%の人々が社会に対して満足」という数値は、出所不明)。

 日本人が中国に対して嫌悪感を抱く理由はさまざまあるだろうが、「経済的に遅れているから」という理由を挙げる人はあまり多くないのではないだろうか。むしろ若者ほど「政治的な理由(尖閣問題、歴史認識問題等)」が原因ではないかと感じられる。多くの中国人がブロガーのように考えているとしたら、日中間の認識のズレは深い。(編集担当:西山正)