今季のタイトルを争ってきたミランとインテルは、マーケットでも同じチームの選手を狙っている。だが、新たなるダービーを避けるために、目標は違う選手としている。インテルとミランが狙っているのは、ウディネーゼの選手だ。インテルはFWアレクシス・サンチェスを、ミランはMFクワドゥオ・アサモアをターゲットとしている。

サンチェスに関しては、獲得を狙うクラブの列ができている。昨年11月、最初に彼を求めたのはインテルだったが、現在ではマンチェスター・シティのみならず、ユヴェントスの名前も出てきている。そこで、インテルは最初のオファーを改善しようと動いているところだ。

1500万ユーロ(約17億3000万円)にMFマクドナルド・マリガとプリマヴェーラの選手をつけ、さらにMFフィリペ・コウチーニョをレンタル移籍させるというのが当初のオファーだった。だが、ウディネーゼが納得しないことから、ボローニャMFガストン・ラミレスを交渉に織り込むことになるようだ。

ラミレスはボローニャの選手だが、残留を望んでいない。そこで、インテルは共同保有権を獲得し、それをウディネーゼへ回すか、もしくはウディネーゼと一緒にラミレスを“完全獲得”し、サンチェスの代役としてウディネーゼに残すというのである。

一方、ミランはまだアサモア獲得に真のオファーを提示していない。だが、ミランはアサモアのことを非常に気に入っており、セリエA最終節の対戦後、ウーディネのレストランで、ミランのマッシミリアーノ・アッレグリ監督とアサモアの「ファーストコンタクト」もあった。

ただ、交渉は決して簡単なものではない。ウディネーゼが放出を望んでいないのに加え、ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役によれば、テレビ放映権料の分配をめぐるレーガ・カルチョ内での争いから、ビッグクラブとスモールクラブの交渉はすべてブロックされているというからだ。

だが、ミランは中盤で別の選手の獲得にも動いている。ターゲットは、ナポリMFマレク・ハムシクだ。ナポリで4年間を過ごし、彼は新たな冒険を描くのも悪くないと見ているようである。ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長の抵抗から、難しいビジネスとなるが、特殊な“仲間”がいるようだ。代理人のミーノ・ライオラ氏である。

FWズラタン・イブラヒモビッチやFWロビーニョの代理人でもある同氏は、ミランと特別なかんけいにあり、ハムシクがブレッシァに所属していたときの代理人でもあった。現在の代理人ではないが、こういうことが違いとなることがあるのは周知のとおりだ。

なお、ミランはMFクラレンス・セードルフの契約延長問題も解決しなければいけない。アッレグリ監督はポジションを保証することはできないとしているが、ガッリアーニ代表取締役は残留を説得したいと望んでいる。コリンチャンスから誘われているセードルフだが、再度チャンピオンズリーグを制覇すべく、もう1年ミランに残ることを選ぶ可能性もある。

ガッリアーニ代表取締役は「明日(25日)、セードルフや(アントニオ・)カッサーノの代理人と会う。カッサーノは心配していない。(ジェンナーロ・)ガットゥーゾは契約を結んでおり、残留するよ。トップ下? 私はセードルフを望んでいる。(パレルモMFハビエル・)パストーレは今いるところに残るさ」と話している。