日本の内閣府が14日発表した2010年の名目国内総生産(GDP)は、5兆4742億ドル(479兆2231億円)となり、中国の10年の名目GDP5兆8786億ドル(39兆7983億元)を下回り、米国に次ぐ世界2位から3位に43年ぶりに転落した。

 このニュースは英国でも報道されている。英テレグラフ紙ブログ記事では、経済ジャーナリストのダニエル・ノウル氏は、「中国経済は日本を追い越したわけではない」というタイトルで取り上げている。

 同氏はGDPの統計は不正確で有名だとし、予想が後に大きく改訂される傾向があると述べている。また経済の成功はGDPの規模だけでは判断できないとし、中国人口は約13億人だが、1人当たりの平均収入は7400ドル(61万9528円)で、日本の6分の1にすぎないと指摘している。

 また、与謝野馨経済財政相が14日の会見で「我々は順位を争っているわけではなく、国民生活をより豊かにするために経済活動をしている」と語ったことに触れ、日本は過去20年間に及ぶ景気停滞とデフレがあったが、日本経済はまだアジア諸国の先頭にいることを思い出させてくれたと伝えている。

 また、英インディペンデント紙は、GDPの数字にだまされてはいけない、世界2位の経済大国は2番目に裕福という意味ではないとの見方を示している。現在、上海や北京には高級店が立ち並んでいるが、農村地帯では何億人もの中国人が困窮していると述べている。また、中国の急速な経済成長は、公害という犠牲を払っており、貧しいインフラや言論の自由に国民は不満を抱いていると指摘している。(編集担当:田島波留・山口幸治)



■最新記事
アジア杯決勝戦「両国が正々堂々と戦った素晴らしい試合」−英紙
市橋被告の手記出版「印税提供の目的は、同情を得るため」−英紙
北朝鮮の砲撃、「中国は北朝鮮との関係強化を後悔している?」−英紙
日本の伝統文化、「きもの産業」の衰退を憂慮―英紙
菅首相再選、「小沢氏の影から逃れることはできない」−英紙