生活を支える天気予報！ウェザーニュースの舞台裏を見た

猛暑、ゲリラ豪雨など人々を襲う異常気象が日本各地で記録されている。今年の夏は特に暑く、真夏日が1876年の観測開始以来の最多を記録したほど。このように天気はその対応を一歩間違えれば命に関わるほど重要なことだ。実は、テレビや携帯電話、パソコン向けの天気予報の多くが民間の気象予報会社「ウェザーニュース」から提供されている。今回は、このウェザーニュースに潜入し、天気予報の舞台裏を調査したのだ。

天気情報サイトやお天気番組の作成が行われている「WNI site」

天気の情報は、アメダスなどの従来からある観測機器からの情報のほか、ウェザーニュース独自のシステムとしてリポーターからお天気情報を収集している。実は、天気情報配信サービスの海外でも展開し、このリポーターのシステムは韓国や中国にも拡大している。天気は西から変わっていく。中国や韓国の天気を知ることで、日本の天気がこれからが分かるのだ。

ウェザーニュースは天気を予想するだけではなく、生活に密着した情報を提供している。たとえば、気温があまり上がりそうにないときは「温かい服装でお出かけください」とか、雨が降るようなら「濡れた服を拭くタオルがあると便利です」とか、快適に過ごすためのアドバイスもしてくれる。もちろん、このようなアドバイスはエリアごとの天気にあわせて行われているのだ。北海道では雨が冷たい、中部では西から回復していくという状況にあわせて変えている。韓国や中国、台湾でも行われている。

世界中の天気予報を一カ所で集中して作成している

テレビや携帯電話などで一般向けだけでなく、鉄道や道路、航空、船舶向けにも天気を提供していることはあまり知られていない。
航空機向けには1985年にサービスを開始した。今では、世界中の180空港、世界中で飛び回っている4200便/日をモニタリングし、情報を提供している。情報は天気予報だけではない。おすすめのルート、高度、目的地変更まで提供しているのだ。これが燃費節約に効くようで、1社1空港あたり、半年で約50万ドル分もの燃料節約効果が検証されているとのこと。
2010年春、アイスランド火山の噴火時にも活躍した。ヨーロッパ各地の空港は離発着できなくなったが、たとえば、日本からモスクワへの飛行では、どのようなルート、高度なら飛べるのかといった情報を提供していた。

航空機や船舶ごとにオススメのルートなどを案内

ほかの交通機関も同様に、天気以上の情報を提供している。高速道路は雪などによる交通止めは避けたいところ。もし雪が降りそうなら、その天気だけでなく、どのくらいの雪になるため、凍結防止剤や除雪車をどのくらい用意したほうがいいといった情報を提供している。
船舶向けには貨物にあわせた、おすすめルートを提案する。たとえば小麦などを積んでいると、多少揺れても問題ないが、湿気が多いと小麦の価値が下がる可能性がある。そのような場合は、湿度が低い海域で燃費がよくなるようなルートをすすめている。
実はこのように生活に密着している場面でも役立っているのだ。

9月29日、ウェザーニュースは、天気予報の精度を一段階アップさせるサービス「ソラテナ」を発表した。KDDIと共同で、日本全国の3000局に観測設備を設置し、全国約800カ所のアメダスでは観測できない霧雨やCO2、紫外線量などまで調べられる。
今後、さらに細かい天気情報サービスが提供できるようになることが期待されている。

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