5日のコッパ・イタリア決勝でインテルFWマリオ・バロテッリに悪質なキックを見舞い、退場となったローマFWフランチェスコ・トッティ。ゴールを決め、ファンに夢を与え、プレーをつくり出す同選手だが、そんなスターの彼には精神面での問題を示す記録もある。これは、同じように優れた選手たちとは異なるものだ。

今回のレッドカードで、トッティのキャリア合計退場回数は13回目となった。最も多くの退場を記録した相手は、今回と同じインテル。1997年12月14日(3−0でインテル勝利)、2005年10月26日(3−2でローマ勝利)、そして5日のコッパ決勝だ。

リーグ戦での退場回数は9回(コッパ・イタリアで2回、欧州カップ戦で2回)。最後は07年1月21日のリヴォルノ戦(結果はドロー)だった。ほかのカンピオーネ(最高の選手)たちと比べてみよう。ロベルト・バッジョ氏はリーグ戦で3回しか退場していない。さらに模範的なのは、ユヴェントスFWアレッサンドロ・デル・ピエーロだ。彼はリーグ戦で2回しか退場しておらず、最後にレッドカードを受けたのは01年3月のウディネーゼ戦まで遡るのである。

トッティはイタリア代表とも難しい関係にある。02年ワールドカップ(W杯)の韓国戦での退場から、04年EUROのデンマーク戦でMFクリスティアン・ポウルセンに唾を吐いた件、ドイツW杯優勝後の引退をめぐる騒動もあった。

対戦相手への冷やかしも、彼を語る上での特徴だ。ラツィオとのダービー終了後、「またお前たちを清めてやったぜ」と書かれたTシャツを着たり、ユヴェントスに圧勝した際に手で「4(ゴール)」を示したこともある。最近ではやはりダービーで、親指を下に向けるジェスチャーを見せた。

出場停止については、05年4月、シエナDFコロンネーゼへの暴力行為で科せられた5試合が最高。トッティは処分を受け入れたが、「父としても夫としても」侮辱されたと強調している。今回も、トッティはバロテッリから挑発があったと主張した。

だが、彼はそれに乗ってしまったのだ。リプレイ映像が示しているのは、ナンバーワンというステータスに一致するものではないだろう。